Monday, February 8, 2021

ガガイモ

 

名は体をあらわすというが、ガガイモ科(Asclepiadaceae)のガガイモはあきらかにサトイモ(里芋)やヤマイモ(山芋)のようなイモ(芋)ではない。ミズバショウに代表される花(と見えるもの)に特徴のあるサトイモ科 (Araceae、中国名はなぜかイモと関係のない天南星科)、食べ物のとろろとなるイモのグループのヤマノイモ科(Dioscoreaceae、あとででてくるが中国名はイモの字がある薯蕷科という科がある。

イモにはいろいろあってまぎらわしい。


芋は里芋(サトイモ)のこと。香港では芋頭wu tau)と言っている。食べ物でよくでてくる。ここ香港では野生のようで道端に生えている。味からして多分タロイモの類か。 

サツマイモは

Wiki 


番薯(学名:Ipomoea batatas,亦稱地瓜、紅薯、甜薯、甘薯、红苕等)为旋花科番薯属的一种

旋花科(ヒルガオ科)。日本では黄色いが香港では普通紫色。<番>は外来の意味。

 ジャガイモは

Wiki

ジャガイモ馬鈴薯〈ばれいしょ〉、英: potato、学名:Solanum tuberosum L.)は、ナス科ナス属の多年草の植物。

でナス科。

<薯>の一字だけでは

「薯」是植物名,即薯蕷,又名山藥。

で薯蕷(ヤマイモ)のことのようだ。

やまとことばで<里イモ>と<山イモ(なぜかヤマノイモ科)>で大別しているのは悪くない。中国では芋あるいは芋頭がサトイモ、薯あるいは薯蕷がヤマイモだ。

さて、ガガイモという名もガガイモ科という科も聞いたことはなかったが中国語の<蘿藦科>がガガイモ科に相当するようなので調べてみてわっか名前だ。おそらく普通の日本人は私と同じで聞いたような気がする人はいるかもしれないが ガガイモ、ガガイモ科を知っている人はほとんどいないだろう。なにせガガイモはイモではないのだ。名前を<体をあらわす>ようなものに変えた方がいいような気がする。手もとの辞書でしらべてみたが<ガガ>も<ガガイモ>も見出し語にない。だがWiki で調べてみると、意外で名前(名称)については詳しい説明があり、日本神話に出て来る由緒正しい名前のようだ。

Wiki 


ガガイモ(蘿藦、鏡芋、芄蘭)はキョウチクトウ科クロンキスト体系ではガガイモ科)のつる性多年草。ガガイモの学名牧野 (1940) などで Metaplexis japonica と紹介されてきたが、Khanum et al. (2016) でMetaplexis属などはイケマ属Cynanchum)に統合するのが妥当とする学説が出され、ガガイモに関しては同論文480頁で提案された Cynanchum rostellatum という新学名がキュー植物園からも認められている。 

かなりややこしい説明だ。 その他のネット上の解説も混乱している。


名称

古名をカガミまたはカガミグサという。夏の季語。いずれの名も語源には諸説あり、イモというのは根ではなくて実の形によるともいう。高橋 (2003) は割れた実の内側が鏡のように光るのでカガミイモ(鏡芋、輝美芋)の名がつき、これが訛ってガガイモとなったとしている。

平安初期の『本草和名』で中国語名の蘿藦がガガイモを表す漢字表記としてあてられ、やがて蘿藦の表記が用いられるようになった。

日本神話では、スクナビコナの神が天之蘿摩船(あまのかがみのふね)に乗ってきたといい、これはガガイモの実を2つに割った小さな舟のこと。

”  

漢字の蘿藦は<ラマ>と読む(日本語の音読み)。銅鑼(ドラ)の<鑼>、薩摩(サツマ)の<摩>からの推測。蘿藦はよくわからない。多分中国人でも知っているのはこの種の植物に関心のある人ぐらいだろう。わからないが、科名にもなっているので調べてみた。

分解すると、ネット辞書では

 luó

通常指某些能爬蔓的植物:女~。蔦~。藤~。

現代語で

<蘿蔔>は大根(ダイコン)のこと。
<紅蘿蔔>は赤い人参((ニンジン)のこと。

 mò

〔~𦺞〕古書上說的一種草。

現代語で

<蘑菇>はマッシュルームのこと

蘿藦に似た漢字に薯蕷(少なくとも二字とも草かんむりがついている)があり、こちらは上で書いたようにヤマノイモ科のナガイモのことで、中国ではヤマノイモ科はナガイモ科つまり薯蕷科(Dioscoreaceae)になる。Wiki<ナガイモ>


ナガイモ(長芋、学名: Dioscorea polystachya)は、ヤマノイモ科ヤマノイモ属つる性多年草。または、その肥大した担根体の通称である。漢名山薬(さんやく)、薯蕷(しょよ)とも呼ばれる。 

漢字では蘿藦以外に<鏡芋>があり、これは<カガミイモ>と読めばやまとことばらしい。イモの形に似た実の形の<割れた実の内側が鏡のように光る>が事実であれば<体をあらわす>ことにもなる。もっとも<イモの形>は不特定なのが普通だ。よく目にするジャガイモとサツマイモは両方とも形は不特定だがかなり違う。ガガイモの実はやや細長いサツマイモの形だ。

<芄蘭>は字も現物も見たことはないが 蘭の花が想像される。中国ネットで調べてみると、さすが本家で、詳しい説明がある。


芄兰与女青——萝藦的美丽过往

(https://baike.baidu.com/tashuo/browse/content?id=4ca32cfece2d7f053440f642

诗词中的萝藦

萝藦最早在中国历史中登场,就是在诗歌中,《诗歌·芄兰》有云:“芄兰之支,童子佩觽。虽则佩觿,能不我知。容兮遂兮,垂带悸兮。芄兰之叶,童子佩株。虽则佩韘,能不我甲。容兮遂兮,垂带悸兮。

大致意思便是,两小无猜的一对幼童长大,由于某种原因分开,多年之后,两人再次重逢时已是十二三岁的少年,可是见面之后,男孩却装出一副大人的样子,佩戴着觽和韘,穿着宽大的衣服,垂着腰带,飘飘忽忽,慢慢悠悠的从少女身边走过,却对少女不理不睬。

面对昔日青梅竹马的冷落,小女孩不由的很生气,心中恼怒的同时便写下了这首满载着怨恨挖苦,但又情意绵绵的诗歌。这场景,这意象,无疑是极其美丽和浪漫的。

诗中的“芄兰”便是萝藦最早的称谓,而童子所佩的“”则是古代一种解结的锥子,通常用骨、玉等制成,也会用来作为佩饰,这里用芄兰之支来搭配童子的“”,因为两者都是梭状,或者说都是锥形,相映成趣,而后的“”则是古代射箭时带在手上的扳指,外形呈卵状心形,而恰巧萝藦的叶子也是心形,真是哀怨挖苦之中,又暗含了绵绵情意。

この資料では萝藦 Metaplexis japonica で紹介されている。写真では花もきれいだが詩の内容もあるが心臓型の緑の葉が印象的だ。心臓型の葉はイモ植物に多い。

《卫风·芄兰》是中国古代第一部诗歌总集《诗经》中的一首诗。
https://baike.baidu.com/item/%E5%8D%AB%E9%A3%8E%C2%B7%E8%8A%84%E5%85%B0/19670432?fromtitle=%E8%8A%84%E5%85%B0&fromid=9536

にさらに詳しい詩の解説がある。

詩経は3千年くらい前の文学作品だが、内容を比較すると上の日本神話は残念ながら影がうすくなる。

 

さて、話が古代にさかのぼってしまったが、ガガイモ科(学名:Asclepiadaceae)にラテン語学名を代表する

Asclepias トウワタ属 - トウワタ (学名Asclepias curassavica

というのがある。トウワタは<唐綿>でガガイモと同じく実の形はかなり細長い。はじけると中から綿(わた)のような羽がたくさんついた種が出て来る。実(み)は似ているが花はかなり違う、中国語では馬利筋と言う。

Wiki中国語(台湾)版では


馬利筋(學名Asclepias curassavica)為夾竹桃科蘿藦亞科馬利筋屬的植物。有毒,誤食乳汁會引起腫脹發高燒脈搏加速但微弱、瞳孔放大等症狀

别名

蓮生桂子花(植物名實圖考);芳草花(中國植物圖鑑);金鳳花、羊角麗、黃花仔、唐綿(廣東);山桃花、野鶴嘴、水羊角(廣西);盞銀台、土常山、竹林標、見腫消、野辣子、辣子七、對葉蓮、老鴉嘴、紅花矮陀陀(雲南);草木棉(貴州)

輸入された植物にしては別名が多いが人気が高かったか、雑草のように条件があえば(大体南方だ)よく育つからだろう。唐綿(廣東)は別名の中にあり、これが日本に輸入され<トウワタ>と重箱読みになったものだろう。馬利筋の名前の由来は、調べてみたがわからない。推測するに

1) 馬利筋の原産地は南米だが、北米から輸入されたようだ。したがって長い中国の歴史から見れば<最近>だ。馬利はMary と読めるが<筋(jin)>がなんだかよくわからない。日本ではメリケン粉はAmerica から輸入されたときに耳から聞いたAmerican がメリケン粉となった。<筋>は現代北京語では<jin>だが広東語で<gan>と発音する。馬利筋は、メリケン粉にしたがえば(A)meri-gan となる。馬利筋の名は中国の南方由来の可能性が’高い。

2) 馬利筋は有毒で、場合によっては薬にになるようだが、毒にあたって<ひきつけ>をおこすのは筋(すじ)がけいれんを起こしたものだ。 馬利は 馬力に通じ<ひどいけいれん>は馬力(痙攣=けいれん)筋。

上でとりあげたが、ジャガイモはなぜか馬鈴薯(マーリンシュ)と呼ばている。馬と牛は雑草の名によく使われる。

 

ガガイモ科とは知らずにいくつかスケッチした。近くでみると花は正月の羽根つきの羽のような形をしており、しかも赤とオレンジのコンビネーションがいい。さらに葉の緑がある。場合によってはさらに細長いイモ型(というか紡錘型、spindle-shape)の実が加わる。


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

分かりにくいが上に向かっている葉のようなのが実だ。



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これも分かりにくいが実がはじけて綿のような羽がついたたくさんの種(たね)。

注)

繰り返しになるが

ガガイモ科のラテン語学名はAsclepiadaceae で<Asclepia>が出て来る。

属名のAsclepiaは日本語では

Asclepias
トウワタ属

ガガイモ属の学名は

Metaplexis
ガガイモ属

で混乱している。 さらに混乱するのは、上で引用したように

Metaplexis属などはイケマ属Cynanchum)に統合するのが妥当とする学説が出され、ガガイモに関しては同論文480頁で提案された Cynanchum rostellatum という新学名がキュー植物園からも認められている。 

イケマ属Cynanchum)とういこれまたなじみのない名前がでてくる。混乱はしているが、ガガイモ科という名に関係なく、 AsclepiadaceaeAsclepias curassavica 馬利筋の花や実や実がはじけて出て来る綿(わた)は際立って美しい

 

sptt

 

 

 

 

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