Wednesday, February 17, 2021

クサギ


クサギは<臭木>でやまとことばだ。クサギ(臭木、Clerodendrum trichotomum)は種(しゅ)名でクサギ科という科はない。だがクサギ属(Clerodendrum)というのはある。だ。クサギ属は

Wiki の冒頭の紹介文では


クサギ属 Clerodendrum L. はシソ科の樹木の属。かつてはクマツヅラ科とされた。萼から長く伸び出す長い筒部を持つ花冠と更にそこから伸び出す雄蘂と雌しべを持つ。

とあるが、この変更は徹底、完了していないようだ。中国語では大青という種があるが日本のクサギとはやや違う。また属名は大青属と言う。 だが混乱しているというか少しややこしい。

クサギ(臭木、Clerodendrum trichotomum)のWiki 中国語版は


海州常山(學名 Clerodendrum trichotomum)又名臭梧桐,是一種馬鞭草科灌木

 ”

馬鞭草科クマツヅラ科)となっている。臭梧桐の字は見たことがあるような気がする。海州は地名。常山というのは花で(もともとは山の名前か)、海州も常山も日本人にはなじみはないだろう。したがって海州常山はますますなじみがないだろう。だがこれが日本のクサギ(Clerodendrum trichotomum)なのだ。海州のない常山は

Dichroa febrifuga (Chinese: ) is a flowering plant in the family Hydrangeaceae.  (Wiki)

でアジサイのグループ。香港植物公園でみたことがある。実際花はうす青紫のアジサイのような花だ。科が違うのだが、常山とクサギの似ているところをさがせば、ごく大まかに言って、どちらも小さい花がまとまって半球状に咲くことと葉が大きいことだ。だがクサギの方は<萼から長く伸び出す長い筒部を持つ花冠と更にそこから伸び出す雄蘂と雌しべを持つ>のに対して常山の方はアジサイと同じでこのクサギのこの花の特徴はない。


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Dichroa febrifuga (常山) 


クサギ属(Clerodendrum)のwiki中国語版は

大青属(学名:Clerodendrum)或海州常山屬是唇形目唇形科的植物,本屬在1990年代之前,傳統上被歸類到馬鞭草科。多數種類是重要的草藥,其特殊的花形態亦是常見的園藝品種

となっている。ここでは大青属は唇形科シソ科)になっている。Clerodendrumクサギ属のWiki の説明は日本語版が一番詳しい。おそらく海州常山屬というのは中国でもなじみがなく普通は大青属だろう。この大青属の中に大青(学名:Clerodendrum cyrtophyllum)がある。クサギ(Clerodendrum trichotomum)ではない。このほかxx大青というのがいろいろある。<xx大青>の多く<Clerodendrum xxxx>だ。

繰り返しになるが、Clerodendrumクサギ属、 大青属(または海州常山)というのが属名だ。クサギ科、大青科というのはない。名前のつけ方はおもしろく

Clerodendrum:

https://www.dictionary.com/browse/clerodendrum

Origin of clerodendrum

<New Latin (Linnaeus), equivalent to Greek klēro- (combining form of klêros lot, chance) + déndron tree; allegedly so named in reference to the varying uses of its species, some being medicinal, some poisonous

ちょっとわかりにくい。Wiki の Clerodendrum (属)では

History
Clerodendrum
was named by Linnaeus in Species Plantarum in 1753.The name is derived from two Greek words, kleros, meaning "chance or fate" or "clergy", and dendron, "a tree". It refers to the considerable variation in reports of the usefulness of Clerodendrum in medicine and also to the fact the trees were used for religious purposes in Asia.


となっている。簡単にはクサギ(臭木、Clerodendrum trichotomum)のWiki の説明の中に
 
 ”

Clerodendrum is derived from Greek, and means 'chance tree'.

Trichotomum is also derived from Greek, and means 'three-forked' or 'triple-branched'.
 
 ”
と言うのがある。
 
クサギ:臭木 - 文字どおり<臭い木>。Wiki では
 
葉に悪臭がある事からこの名がある。

 
これはかなり前だが記憶がある。

大青: 本植物因「莖葉皆深青,故名大青」(本草綱目)(注)

写真では確かには葉と葉柄は緑(ふかみどり)のこと)だが枝は緑ではない。葉と葉柄が緑色なのは他にもたくさんあるだろう。

 さて以下は香港で見られる(これまで見たことのある)クサギ属の草木。多くはClerodendrumxxxx だ。Clerodendrum というのは少し長いが覚えやすい名前だ。

 

1) Clerodendrum thomsoniae  

英語名: bleeding glory-bower、bleeding-heart vine

日本語名:ゲンペイクサギ、Clerodendrum thomsoniae はシソ科の蔓性低木。花が美しいために栽培される。萼が白で花冠が赤いことからこの名がある。
中国語名:龍吐珠(植物園の名札)、爬藤大青(ネット上ある)

<好像傳說中的怒龍噴火焰的形狀,故得「龍吐珠」花名。>という説明があるが、そのままでは<龍吐火>、<龍吐炎>だ。中国名の龍吐珠はまちがいだろう。クサギと同じような実はできるが外からはよく見えず、目立たないようだ。





 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
Clerodendrum thomsoniae


2) Clerodendrum japonicum

日本語名:ヒギリ Clerodendrum japonicumシソ科の低木。花が美しいことから古くから栽培されてきた。和名は緋桐で、別名にトウギリ(唐桐)がある。 緋桐は漢字で見る分にはいいが耳で聞くヒギリはすぐにはピンとこない。
中国語名:赪桐又名龍船花(龍船花はアカネ科にも龍船花というのがあり、<アカネ-3、サンタンカ(山丹花>のポストでとりあげた)。

赪:拼音:chēng 【形】. 浅红色。なぜか英語訳は<deep red>になっている。写真で見たかぎりでは、時期にもよるが緋色、深緋色といったところだ。
 



 
 
 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 似ているので<未確認だが多分 Clerodendrum japonicum>としたが、香港植物園の名札ではClerodendrum splendens>となっいる。中国名は上の「龍吐珠」に<紅>がついた「「紅龍吐珠」。


 



 

 

 

 

 

 

 



これも名札では Clerodendrum splendens だが小ぶり。小ぶりだが美しい花だ。



3) Clerodendrum chinense
日本語名:不詳

英語名:Fragrant Glorybower, Fragrant Gloryberry
中国語名:重瓣臭茉莉, 臭茉莉, 臭牡丹

これははじめて見たときに葉っぱは大いにちがうが花は白色でジャスミン、牡丹ではなくバラに似ているのに感心し、スケッチしたことがあるがスケッチがみつからない。名札に英語の方は<Fragrant>、中国語の方は<臭>の字があったのでにおいもかいでみた。記憶ではいい香りでもないが臭(くさ)い、いやなにおいでもなかったような気がする。

 

 4) Clerodendrum paniculatum

日本語名:不詳
中国語名:円錐大青





 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 Clerodendrum paniculatum

ネット上の花は赤いのが多いが、スケッチしたのは黄色。

 

5) Clerodendrum ugandense (Rotheca myricoides )

日本語名:不詳
中国語名:藍蝴蝶

花は中国語名:藍蝴蝶のとおり。またClerodendrum の特徴である<萼から長く伸び出す長い筒部を持つ花冠と更にそこから伸び出す雄蘂と雌しべを持つ>


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Clerodendrum ugandense (Rotheca myricoides )

 

以上のようにClerodendrum の花は繰り返しになるが<萼から長く伸び出す長い筒部を持つ花冠と更にそこから伸び出す雄蘂と雌しべを持つ>花で特徴的だ。なぜかこの花の特徴が名前に関係せずClerodendrum、クサギ、大青とよばれている。

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(注)本草綱目は漢方薬本の本家のようだが、実際(図入り口語版)を読んでみると薬としての効用の説明の前に名前の由来の説明がよく出て来る。これはそれこそ星の数ほどある現代中国の漢方薬本、さらには半分漢方薬本になっている植物図鑑にはないことで、本草綱目作者の見識の高さがうかがえる。


sptt



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