Friday, January 29, 2021

ツバキ

ツバキの語源もツツジと同じくよくわかっていない。日本ではツバキ科だが中国では山茶科、学名はTheaceae で、英語ではTea Family。つまりはツバキではなく茶の木、茶の花なのだ。

Wiki日本語版では

ツバキ科(ツバキか、Theaceae)は、ツツジ目に属する植物の科。 ツバキサザンカチャ(茶の木)、ナツツバキなどを含む。

木本で、葉は互生する。花は放射相称で子房上位。がくと花弁の数は5または4のものが多いが、さらに多いものもあり、特にツバキなどはがくから花弁に連続的に移行する。花弁は離生するものと、基部が合生するものがある。おしべは多数。果実は蒴果か核果。大部分が東・東南アジアに、一部は南北アメリカ大陸などに分布する。 

と簡単。英語版も簡単だ。中国語版がやや詳しいようだ。



日本語版Wiki の分類


中国語版Wiki の分類

  • 核果茶属 Pyrenaria Blume, including Dubardella H.J.Lam, Glyptocarpa Hu, Parapyrenaria H.T.Chang, Sinopyrenaria Hu, Tutcheria Dunn
  • 柯树属 Schima Blume
  • 折柄茶属 Stewartia L., including Hartia Dunn

ツバキ属は山茶属、Camellia になる。園芸品種はこの属だ。

<バラ>のポストで


ツツジはツツジ園は見かけないが大きい公園ではたいていたくさん植わっている。バラ園があるのは、私の知る限り、九龍公園だけでたいして大きくはないが、だいたい一年中なにかが咲いている。私のバラのスケッチはほとんど九龍公園のバラだ。

と書いたが、大きい公園にはだいたいツバキ園がある。また香(かおり)のある花を集めた芳香園も大きい公園にはある。バラ、ツツジ、ツバキいずれも大木はすくなく、灌木といっていいが、花は木や枝に比べて大きい。

 

ツバキの漢字は<椿>だが、これは日本漢字で中国ではけっして<椿=山茶>ではない。

<サザンカ>の名は山茶花(サンチヤカ)か由来で、語源がこれで間違いないだろう。学名はなぜか

Camellia sasanqua

中国名はこれまたなぜか 

茶梅

という。


 

 

 

 

 

 

 

 

Camellia sasanqua 茶梅

 

ツバキ、サザンカに続いて<チヤノキ>というのがあるが、

チャノキの木、学名Camellia sinensis) (Wiki)

とういこと。 sinensis は<中国の>ということ。ウーロン茶、鉄観音茶、プーアル茶、龍井茶、紅茶、緑茶などいろいろあるが、基本的にはみなCamellia sinensis といっていい。最終製品のお茶にする製造方法が違うのだ。



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 ウーロン茶樹  Camellia sinensis


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


プーアル茶  Camallia assamica (アッサム茶)


 

 










Camellia reticulata 

<烈香>の名前がついているが、わたしの鈍い鼻を近づけて、やっとほんのりバラの香りがする程度。














Camellia crapnelliana  香港特産












 

Gordonia axillaris

Camellia  の名がつかない大頭茶

 

 



 

 

 

 

 

 
















Schima superbaヒメツバキ属 Schima

小さな花(だからヒメツバキの名なのだろう)だが美しい。Super(ba) な美しさだ。 初めて見たときは感動した。だが残念ながら開花期は短い。二度目の感動を期待して一週間後に見に行ったが盛りは過ぎていた。

 

sptt

Tuesday, January 26, 2021

ツツジ

ツツジは漢字では<躑躅>となるようだが、読める人、書ける人は少ないだろう。そしてこれは書面語で、中国での口語は杜鵑花だ。この<杜鵑>は日本では鳥のホトトギスの漢字だ。ツツジはツツジ科のツツジ属のツツジ。中国でも口語の杜鵑花が使われ、杜鵑花科の杜鵑花属の杜鵑花。ラテン語の学名、英語はやっかいで

Ericaceae ツツジ科) の Rhododendronツツジ属)のRhododendron xx (xx ツツジ)でツツジ科にはエリカの名(Ericaceae)が使われている。昔<エリカの花が咲くという>(題名は<エリカの花散るとき>)と言う歌がはやったことがある(*)。エリカの花は見たことがないので調べてみるとツツジとはまったく似ていない花だ。英語ではヒース(Heath)で、これまた見たことはないが昔読んだイギリスの小説ではこのヒース(Heath)がよく出てくる。また英語(アメリカ英語か)では Azarea で<アザレア>というのは聞いたことがある。米国人はRhododendron とは言わず Azarea (発音はAzi-ria に近い)と言っていたようだ。 よくわからないので<アザレア>が<ツツジ>で、あまり聞かない、言いずらい Rhododendron が<サツキ>と勝手に解釈していた。 

ツツジの語源はよくわかっていない。難しそうな漢字の<躑躅>は現代中国語ではzhízhú と発音し しかも躑躅だけでは意味は<徘徊不前(前に進まずの意か)>とか<用腳踏地>で、つまりはよく聞くがこれまた難しそうな漢字の<躊躇(ちゅうちょ)>と同じような意味なのだ。そして<山躑躅>と<山>がついて花の<ツツジ>になるようだ。躊躇(ちゅうちょ)は現代中国語では chóuchú と発音するが聞いたこはない。多分今の中国人は使っていないだろう。ツツジ<躑躅>zhízhú の発音は<チ-チュ(ー)>で<ツツジ>の<つつ>に似ていないことはない。中国で<躑躅>がツツジの意で使われるようになったのは経緯(語源)があるが人為的だ。<山躑躅>をネット辞書しらべてみると

植物名。小灌木,葉子呈倒卵形或披針形,夏初開漏斗狀紅色花,瓣五裂,萼片小,形似杜鵑花。簡稱為「躑躅」。

とある。形似杜鵑花>は<かたち杜鵑花に似る>なので、山躑躅と杜鵑花は違うことになる。<漏斗狀紅色花>に注目すると<ラッパ(漏斗(ろうと)、じょうご)型の赤い花>となるが、これは実態に即して言い換えると<つつ形の赤ムラサキ(紫)の花>となる。 これで<つつ>はいい。<じ>は紫は中国語発音では zi (ツー)だが<シオン>が紫苑で<紫>が<シ>、連想になるが<アジサイ>が紫陽花で、<ジ>と発音されてもおかしくはない。これを進めると<つつ形の紫(じ)の花>で<つつじ>となる。この語源は他の推測語源の正確さと同じ程度だろう。

ツツジは園芸品種が多そう。かたまって咲きしかも普通のツツジは三方に向かて咲くのでどの方向から見ても同じような花の量が見られる。一つひとつの花も見栄えがするがまとまって咲いているツツジもこれまた見応(ごた)えがある。香港では長い夏をのぞけば11月から5月ごろまで咲いているようだがまばらに咲いており、まとまって咲く盛りは3-4月だろう。




 

 

 

 

 










 

 

 

 



(*)昔<エリカの花が咲くという>(題名は<エリカの花散るとき>)と言う歌がはやったことがある

調べてみたがかなりのナツメロ。西田佐知子という歌手がヒットさせた歌で、私はまだ小学生だったのでうるおぼえだ。 ネットで見て聞く限りは西田佐知子は美人で歌のうまさが目立つ。歌詞ではエリカは見つけにくい謎めいた花で、これがミソだろう。西田佐知子も謎めいたところがある。ネットで見ると年齢や化粧の仕方の違いにもよるのだろうがまるで七変化だが、化けもののようというわけではない。さらの調べてみると、西田佐知子にはドイツ語の歌があり、<R>の発音がドイツ人の<R>になっており聞きやすい(*)。言葉の達人だろう。しかももともと歌がうまいのだ。第一級の歌姫(うたひめ)だ。歌の題名が出てくる三番に<エリカ エリカの花が 散るときは 恋にわたしが 死ぬときよ>とある。ネットのコメントにもあるが、エリカ エリカの花が 散るときは 恋にわたしが 死ぬときよ>と歌っていても他人ごとのようで、どこか冷(さ)めたところがある。そこが魅力だろう。

水木かおる作詞

1 青い海を 見つめて
  伊豆の山かげに
  エリカの花は 咲くという
  別れたひとの ふるさとを
  たずねてひとり 旅をゆく
  エリカ エリカの花の 咲く村に
  行けばもいちど 逢えるかと

2 山をいくつ 越えても
  うすい紅いろの
  エリカの花は まだ見えぬ
  悲しい恋に 泣きながら
  夕日を今日も 見送った
  エリカ エリカの花は どこに咲く
  径(みち)ははるばる つづくのに

3 空の雲に 聞きたい
  海のかもめにも
  エリカの花の 咲くところ
  逢えなくなって なおさらに
  烈しく燃える 恋ごころ
  エリカ エリカの花が 散るときは
  恋にわたしが 死ぬときよ

 

吊鐘花(學名Enkianthus quinqueflorus

 吊鐘花は中国名。日本語で<ツリガネソウ、釣鐘草>というのがあるが、これは別もので、<ホタルブクロ>の別名。ツツジ科ではなくキキョウ科だ。

 ホタルブクロ(蛍袋[2]学名: Campanula punctata var. punctata または Campanula punctata)とは、キキョウ科多年草。 初夏に大きな釣り鐘状の花を咲かせる

 

中国名<吊鐘花(Enkianthus quinqueflorus)>の方はツツジ科。学名 Enkianthus quinqueflorus とあるが、香港公演で初めて見たときは、名札に<Ericaceae>(ツツジ科のこと) の字を見つけた時に、上の西田佐知子の<エリカの花 . . . . >を思い出したわけだ。
中国名<吊鐘花>は Chinese New Year Flower ともいわれ、縁起のいいはなのようだが、
<ツリガネソウ (ホタルブクロ) >と同じく釣鐘状の小ぶりの花を下向きにたくさんつける。色は淡い赤。ピンクだ。


 

 

 

<Enkianthus quinqueflorus>、Ericaceaeのメモがある。

 

 

追加

西田佐知子の最大のヒット曲は<アカシアの雨が止む時>だろう。これも<エリカの花散るとき>と似たようなところがあって

1) アカシアを正確に知っている人はそう多くはないだろう。ニセアカシアというのもある。Wikiでは

日本においては、明治時代に輸入されたニセアカシアを当時アカシアと称していたことから現在でも混同される。

と言う説明がある。 これがミソ。聞く人は<アカシアとはどんな木か>と想像をはたらかす人とそうでない人がいるだろう。歌のビデオでは白い花がたくさん垂れ下がっている木の写真がでてくるのがあるが、これはニセアカシアだろう。また別のビデオでは球形の黄色い花が出てくるがこれは香港でも見られる<台湾相思樹>で学名は Acacia confusa で中国語版Wikiでは


相思樹學名Acacia confusa),又名台灣相思樹台灣相思香絲樹相思仔台灣紫檀,為豆科含羞草亞科金合歡屬植物,原產於台灣南部、中國南方及東南亞一帶,於台灣日治時期日本人廣泛種植至全台各地,是台湾早期知名的造林树种之一。近數十年於香港也被廣泛種植於郊野公園市區公園內,與紅膠木濕地松合稱香港「植林三寶」。

と言う解説がある。多分日本にはないだろう。相思相愛という言葉があるので何か意味があるのだろう。だがこれは名前からは本物のアカシアだが<アカシアの雨が止む時>のアカシアには似合わない。

Wiki <ニセアカシア>


ニセアカシア (Robinia pseudoacacia) は北米原産のマメ科ハリエンジュ属の落葉高木。和名はハリエンジュ(針槐)。日本には1873年に渡来した。用途は街路樹、公園樹、砂防・土止めに植栽、材は器具用等に用いられる。季語は夏である。

という解説がある。ハリエンジュ(針槐)なのでトゲがある。さらには<ハリエンジュ属>の解説には

ハリエンジュ属(ハリエンジュぞく、学名: Robinia)は、マメ科ソラマメ亜科の一つである。

日本には、ハリエンジュ(ニセアカシア)が、明治初期の1873年に、薪炭材や寒冷地の緑化木・街路樹などの目的で導入されたが、現在では養蜂用(はちみつの原料)以外にはほとんど無用になっている。

” 

となにか無責任な解説になっている。学名: Robinia は響きのいい名前だ。

さてアカシアの方だが、Wikiの解説



アカシア
(金合歓、Acacia) は、マメ科ネムノキ亜科アカシア属の総称。アカシヤアカシャアケイシャ

となっている。つまりはアカシア属の総称>で、いろいろなアカシアがあることになる、金合歓の<金>は無視できず、下記のように正確には

 金合歓: Acacia farnesiana キンゴウカン(キンネム)

 <ゴウガン>は<合歓>のこと。

一方< 合歓>の<金>のない合歓>はネムノキのことだが、Wikiの解説では

 

ネムノキ(合歓木、合歓の木、Albizia julibrissin)はマメ科ネムノキ亜科の落葉高木。別名、ネムネブ

 ”

で、acaciaアカシア属)ではなく albizia。よくわからないので、さらに調べてみるとネムノキ科 (Mimosaceae) というのがあり、<ミモザ>と言うのがでてくる。


ネムノキ科 (Mimosaceae) はマメ科に近縁な科。クロンキスト体系では独立の科とするが、新エングラー体系APG植物分類体系のようにマメ科に入れてネムノキ亜科 (Mimosoideae) とすることも多い。

おもな下位分類群

Acacieae アカシア連

Mimoseae オジギソウ連

Ingeae ネムノキ連

小葉ネムノキ(albizia julibrissn)=ネムノキは日本にもあるが、香港では大葉ネムノキ(Albizia lebbeck)というのもある。小葉ネムノキ、大葉ネムノキいずれも花はいい香りがする。

一方エンジュの学名はStyphnolobium japonicum でアカシア(属)ではない。

Wikiの解説


エンジュ(槐、Styphnolobium japonicum)はマメ亜科エンジュ属の落葉高木。中国原産。

だが、マメ科ではある。<和名は古名えにすの転化したもの>なので<槐>の一字で<エンジュ>と読み、やまとことばになるが、これは気がつきにくい。槐は上記のように中国原産で中国の小説(たぶん魯迅の小説)には槐がでてくる。これまでよくわからなかったが、マメ科でマメ科の花が咲く木で少し認識が高まった。

さらにまたややこしいのはマメ科に cassia xx と言うのがある。 香港では

Cassia fistula (Golden Shower Tree)

という花の木が大きく、盛りには黄色い花が名前のとおりシャワーのように咲く。初めて見たのは台湾で、植えたての小さい木の花だったが、それでも感激した。

また<槐>がつくのでは黃槐(Senna surattensis)というのが街のあちこちに見られる。これまた名前のとおり黄色い、多分<槐>の花に似ていると思われる、美しい花が次々に長い期間咲く。

小葉ネムノキ(albizia julibrissn)、大葉ネムノキ(Albizia lebbeck)、Cassia fistula、黃槐(Senna surattensis)は別のポスト<マメ>で取り上げている。


さて歌の方にもどって 、<アカシアの雨>は<よくわからないアカシア>の木や、葉っぱや花が降ってくるわけではなく、おそらくアカシア並木に降る雨>のことだろう。歌詞としてはこれでいい。とやかくいうのは野暮(やぼ)だ。野暮(やぼ)を承知で詮索してみると、本命と思われるニセアカシアは落葉樹で夏の季語というので夏に白い花を咲かせるのだろう。枯れ枝に雨というのは想像しにくく、また厳冬だと<雨にうたれて死ぬ>前に凍(こご)え死んでしまう。この歌の季節は6月か9月の雨季だろう。白い花は必ずしもいらないが緑の葉は必要だ。

2)題名のアカシアの雨が止む時>は<エリカの花散るとき>と同じく3番にでてくる。

1)も2)もある効果をねらったものだろう。 

さて西田佐知子の歌い方だが、ネットで見られ、聞けるものから判断すると、<エリカの花散るとき>に比べると<気持ちがかなり入ってしまっている>のがあり<他人ごとのようで、どこか冷(さ)めたところがある>のよさがうすれているのがある。歌詞の方もシリアスなところがあり

このまま 死んでしまいたい(1番)
冷たくなった わたしを見つけて(1番)
冷たくなった 私のぬけがら (3番)

<気持ちをしっかりこめて>歌うと恐ろしさを感じる。


水木かおる作詞

アカシアの 雨にうたれて
このまま 死んでしまいたい
夜が明ける 日がのぼる
朝の光の その中で
冷たくなった わたしを見つけて
あの人は
涙を流して くれるでしょうか

アカシアの 雨に泣いてる
切ない胸は わかるまい
思い出の ペンダント

白い真珠の この肌で   
淋しく今日も 暖めてるのに
あの人は
冷たい瞳(め)をして 何処(どこ)かへ消えた

アカシアの 雨が止む時
青空さして 鳩がとぶ
むらさきの 羽の色
それはベンチの 片隅で
冷たくなった 私のぬけがら
あの人を
さがして遥(はる)かに 飛び立つ影よ

 

(*) ドイツ語の歌があり、<R>の発音がドイツ人の<R>になっており聞きやすい。

これもネットで聞ける。 演歌調でないのがいい。

Die Seligkeit liegt immer am anderen Ufer

日本語版: 幸せは彼方の岸に

Einmal kommt der Tag

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Bleib immer und ewig bei mir

Heute nacht

 

聞いてもわからないところが多いので歌詞を探してみたが、残念ながら見つからなかった。 ドイツに 演歌調の歌詞はないだろう。西田佐知子に演歌は似合わないような気がするが、ヒット曲は生まれなかっただろう。


sptt

Friday, January 22, 2021

バラ

 

前回のぽすと<サルトリイバラ>で思い出したのが<バラ>だ。バラ科と言うのがある。<サルトリイバラ>はバラ科とはまったく関係がなく、単子葉のユリの仲間だ。

さてバラは漢字では<薔薇> となり書くのが難しそうだが、見る限りではいかにも<ばら>の感じがする。だがこれは<慣れ>のためだろう。<薔薇>のこじつけ的な訓読みは<ばら>でいいが、音読みではどう発音するのか?だが音読みは必要ないだろう。

中国では普通の見るために栽培されるバラは玫瑰(mei gui と発音する)。野生で花が小ぶりのバラが薔薇とか月季になる。薔薇、月季も鑑賞用に栽培されているようだが街中(まちなか)の公園ではほとんど見かけない、というか名札がないとわからない。だが公園で見るのは玫瑰(mei gui)だろう。香港ではツバキ園はそこそこの大きい公園にはある。ツツジはツツジ園は見かけないが大きい公園ではたいていたくさん植わっている。バラ園があるのは、私の知る限り、九龍公園だけでたいして大きくはないが、だいたい一年中なにかが咲いている。私のバラのスケッチはほとんど九龍公園のバラだ。バラは香港の気候に合わないのだろう。


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これはHong Kong Flower Show の生け花部門の作品のスケッチ。


さて<薔薇>の連想からか<バラ>がやまとことばであるとは気がつかなかった。<サルトリイバラ>の<イバラ>が<バラ>がやまとことばであることを気がつかせたのだ。慣れ親しんだ言葉というにこんなもんだろう。イバラは漢字では<茨>、茨城県の<茨>で、<とげ>や<トゲのある灌木>のことだろう。<いばらの道>とい表現がある。

<バラ>は美しい。高貴さがある。この高貴さは<いばら(茨)=とげ>に関係しているかもしれない。<高貴>のやまとことばはなにか?中国では牡丹がダントツの花の一番で<富貴>の象徴となっている。<富貴>は<高貴>の上を行くのだろう。中国人にとっては<バラ>に<富貴>のイメージはなさそうだ。一方西洋では、ダントツとまでは行かないが、花の一番だろう。手もとにある西洋(英語)の花木の本をみると、園芸品種が多いのはバラとツツジとツバキだ。 バラと違ってツツジとツバキは語源がよくわからない。ツツジとツバキは次回以降のポストで取りあげる予定。

バラはバラ目のバラ科の代表だが、バラ科にはいろいろな木や花がある。さらには分類ではバラ目の上にバラ類というのがある。Wiki のバラ科には

Wiki バラ科

"

サクラウメモモなど日本で古くから親しまれている花木類、また、イチゴリンゴナシビワカリンなど果実、アーモンドなど種子が食用であるものも多い。 

 "

と言う説明がある。普通のバラの花はバラ目のバラ科のバラ属の<xxバラ>ということになる。

数あるバラ科の中で、ここでは<ボケ>を取り上げる。

ボケは花や幹、枝は小ぶりだがとげが多く枝が直線的に曲がって(折れて)いくのが特徴で全体的に見て味がある。ボケと言う名前もいい。 ボケの名は<木瓜>由来だ。<木瓜>は<きうり>ではない。<木瓜>は中国では普通パパイアのことだ。パパイアは日本では皮をむき、種を取って生(なま)のままま果物として食べると思うが、中国ではよくスープに入っている(木瓜湯)。正確にはパパイアはパパイア科で、成長が速くまっすぐ上に伸びていく。ボケの<木瓜>とは似ても似つかない。これは亜熱帯の香港では現物が見られる。果実のパパイアもなるが、高いところにあるのと、さほどmずらしくはないので、木を登って取るひとを見かけたことはない。食べる<木瓜>は<番木瓜((西)洋木瓜>というのが正しいようだ。さてボケの方だが

Wikiの解説は

ボケ(木瓜、学名: Chaenomeles speciosa)は、バラ科ボケ属落葉低木日本に自生するボケは、クサボケといわれる同属の植物。

果実に似ており、になる瓜で「木瓜(もけ)」とよばれたものが「ぼけ」に転訛(てんか)したとも、「木瓜(ぼっくわ)」から「ぼけ」に転訛したとも言われる。『本草和名』(918年)には、果実の漢名を木瓜(もくか)、和名を毛介(もけ)として登場する。

学名のspeciosaは、「美しい」「華やか」、Chaenomelesは「chaino(大きく裂けた)+melon(リンゴ)」が語源だが、現実に実は裂けないので、勘違いしてつけられた属名だと思われる。中国植物名(漢名)は、貼梗海堂(ちょうきょうかいどう)。 <貼梗>を<ちょうきょう>と読める人はいないだろう。

となっている。この解説では最後にあるように中国語では<貼梗海堂(ちょうきょうかいどう)>がボケに相当するようだがどうも違うようだ。<貼梗>を<ちょうきょう>と読める人はいないだろう。<貼梗海堂>の<貼梗海堂>は間違いで、中国語版Wikiでは 


貼梗海棠學名Chaenomeles speciosa),又名皱皮木瓜,为蔷薇科木瓜海棠属落叶灌木。



木瓜海棠属は

” 

木瓜有以下四种:[1]

  • 木瓜海棠Chaenomeles cathayensis),又名毛叶木瓜。
  • 日本木瓜Chaenomeles japonica),又名日本海棠、倭海棠。
  • 贴梗海棠Chaenomeles speciosa),又名皱皮木瓜。
  • 西藏木瓜Chaenomeles thibetica)。

で日本海棠が日本のボケ相当だろう。一方<貼梗>というのは

花朵大多紧紧的贴在枝干上

で<花が枝にくっついている>と言うこと。梅の花も<貼梗>と言えるだろう。貼梗海棠は写真で見る限り可憐な花で、昔から中国美人を連想させているようだ。リンゴや梅と同じで北方の木で亜熱帯の香港では野生の現物は見られない。貼梗海棠は手もと植物図鑑にある写真を一枚コピー / ペイストしておく。


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

上記のように<亜熱帯の香港では野生の現物は見られない>が、旧正月直前の花市で上海の花屋が貼梗海棠とおぼしき盆栽を売っていたので、許しをえて写生しておいた(2017)。

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

多分<貼梗海棠>

ボケ以外ではマルメロ、カリンと言う木、果物がバラ科で名前がおもしろい。

 

sptt

 

サルトリイバラ

 

サルトリイバラはいい名前だ、少なくとも覚えやすい。 例によってWikiからコピー、ペイストすると


サルトリイバラ(猿捕茨、学名: Smilax china)は、サルトリイバラ科(Smilacaceae)(またはユリ科シオデ属分類される多年生植物(半低木)。別名は、ガンタチイバラ、カカラなど。茎には棘があり、秋に赤い果実をつける。地中に肥大化して横たわる根茎があり、薬用にされる。

和名サルトリイバラの由来は、つる性のにはがあることから、「これではサル(猿)も思うようには動けない」という意味で、この植物の小枝が絡み合って、鋭い鉤爪(かぎづめ)がたくさんついていて猿が引っ掛かりそうな感じがするので「猿捕り茨(いばら)」の名がある。

漢語で「菝葜」と書く。別名、ガンタチイバラカラタチイバラカカラ、カメイバラ、コバンノキ、サンキライなどともいう。 

” 

サルトリイバラは見たことはあるような気がするが、記憶にない。バラ科とはまったく関係がない。<シオデ>いうのは聞いたことがないので調べてみると http://plantidentifier.ec-net.jp/ts_shiode.html のサイトに詳しい説明がある。

 

"
牛尾菜(アイヌ方言シュウオンテがもと。漢字表記は漢名。)

単子葉、 ユリ科、 シオデ属、球根植物、つる性、多年草。 用語説明
花期:夏 7月~8月
茎はつる状に長くのび、托葉の変化した巻きひげでからむ。
葉は互生し、先のとがった長楕円形で、葉脈が5~7本あり、少し光沢がある。
雌雄異株。 葉腋から散形花序を出し、淡黄緑色の小さい花をつける。 花被片は6枚あり、そりかえる。花序全体は球形となる。
直径約1センチの液果を総状につけ、熟すと黒くなる。
若芽は山菜となり、ヤマアスパラガスとも呼ばれる。

識別点: サルトリイバラシオデサネカズラ
 サルトリイバラ:葉に光沢があり葉脈が3~5本、茎に棘。巻きひげ。赤熟。
 シオデ    :葉の光沢は弱く、葉脈は5~7本、棘なし、巻きひげ。黒熟。。

 "

ということで、 サルトリイバラとシオデは棘(とげ)の有無、実の色をのぞけば似ている似ている。写真比べて見ても似ている。だがアイヌ語由来のシオデは北方、 サルトリイバラは南方だ。またこの解説では<ユリ科>となっている。サルトリイバラもシオデも単子葉で葉っぱは、写真で見る限り、似ている。

 

 sptt 

Thursday, January 21, 2021

ムクロジ

 

無患子(学名:Sapindus saponaria)はムクロジとよむ。ムクロジ科を代表する。覚えてしまえばどうということはないが、なぜ<ムクロジ>なのか。無患は<患(わずら)い無し>。似たようなのに<恙(つつが)なし(い)>と言うのがある。<患(わずら)い無し>とムクロジは意味上つながりがないようだ。連想は働かない。無患子=ムクロジと丸暗記するのだ。ムクロジを見たことがなくてもどうと言うことはないが、おもしろい名前なので実際知っていた方がいい。香港のビクトリア公園にこのムクロジの木があるが(多分一本だけ)、名札は

無患子
Sapindus saponaria
(Soap Berry)

無患子科Sapindacea)

 で当然ながら日本人向けの<ムクロジ>はない。

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 」

 無患子(学名:Sapindus saponaria

 ビクトリア公園のムクロジはほとんど記憶になかったが、最近(2021年2月)旧正月休みに他の木を見に ビクトリア公園に行ってみると、ムクロジの木と名札を確認しているとき実らしきものが地面にいくつか落ちているのに気がついた。ムクロジは昔は石鹸(せっけん)の代用品だったというのと、ラテン語学名に見え隠れする<サポニン>という化学用語が頭にうかんだ。実際に実を見るのは初めてだった。これは相当ラッキーでないとお目にかかれないだろう。実がなり、地面に落ちる時期は相当かぎられている。さらにそのような時期でも、最近は地面を頻繁に掃き掃除するので時間も相当かぎられる。今回は朝早く行ったが掃除要員が掃除をし始めているところだった。2-3分遅かったら見られなかったかもしれない。

 


 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

無患子の地面に落ちた実を拾い集めた。

集めて石鹸(せっけん)の代用を試してみた。くだいて水を足して相当はげしく手で揉み続けると蝋(ろう)みたいなものが溶けて泡の出ない石鹸のようにはなった。当然始めての経験だ。無患子=ムクロジと丸暗記の強化に役立つ。

ムクロジは漢字で書くと<無患子>のようだが、やまとことばに聞こえる。だがロジは路地というよりはなぜかロジックを連想する。<無患子>は音読みにすると<ムカンシ>となるはずだが、なぜか<ムクロジ>だ。どうして<ムクロジ>となったのかをネットで調べたら http://www.jugemusha.com/ のサイトに

本来、漢名の音読みだが、同科のモクゲンジの漢名「木欒子」と、本種の漢名「木患子」を取り違えた結果の和名。 

という解説があった。「木欒子」は音読みすれば<モクロクシ>、<モクラクシ>で<ムクロジ> に近い。もう少し調べてみる。

この解説で<同科のモクゲンジの漢名「木欒子」>と無患子ではなく木患子」>とあるがこれまたよくわからないので、これまたネットで調べてみると https://matsue-hana.com/hana/mokugenji.html に

モクゲンジ(木患子)

本州(日本海側、宮城県、長野県)の日当りのよいところに生える。高さは10mほどになる。樹皮は灰褐色。葉は互生。長さ25〜35cmの奇数羽状複葉。小葉は3〜7対、卵形でふちには不ぞろいの粗い鋸歯がある。小葉がさらに全裂するものもある。裏面の脈上には軟毛が生える。枝先に長さ15〜40cmの大形の円錐花序を直立し、黄金色の小さな花を多数つける。花は直径1cmほど。花弁の基部には赤いハート形の付属体がある。果実はさく果。長さ4〜5cmの三角状卵形で、先端はとがる。果皮は洋紙質で風船のようにふくれ、10月頃に熟すと褐色になる。3裂する。種子は直径約7mm、黒色でかたい。1室に直径7mmほどの種子が2個つく。花期は7〜8月。

冬芽は円錐形。芽鱗の縁には毛がある。葉痕はハート形。(樹に咲く花)
「一回、不完全二回或偶有为二回羽状复叶」(中国植物志)
学名は、Koelreuteria paniculata
ムクロジ科モクゲンジ属 

と言う解説があるが、実際に見たことがあるか写真がないと想像しにくい。 

<果皮は洋紙質で風船のようにふくれ、10月頃に熟すと褐色になる。>の箇所に注目。

最後になぜか<「一回、不完全二回或偶有为二回羽状复叶」(中国植物志)>というのが付け足されている。 

古いスケッチがある(2009)


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Koelreuteria paniculata ではなく Koelreuteria bipinnata (複羽葉欒樹)

Koelreuteria bipinnata (複羽葉欒樹)は黄色い花に加えて、このスケッチではないが果実(タネ)は小さいが濃いピンクの大きな花びらのようなもの(inflated papery capsule)に包まれたており美しい(*)。昔<一粒で二度おいしい>というアーモンドキャラメルの宣伝文句があったが、これに似ている。

(*)Wiki
Koelreuteria bipinnata

the flowers are small and yellow with a touch of red at the base, with four petals, produced in large branched panicles that are 20–50 cm long. They are showy and have a pleasant fragrance. They flower in the summer from July to August, more northerly, in middle Europe, in September. Flowers are hermaphroditic, having both male and female organs.

The fruit is a three-lobed inflated papery capsule that is 3–6 cm long, of a faint reddish colour, showy, containing several hard, nut-like seeds which are 5–10 mm in diameter with a pink color.

 

さてムクロジの名前についてはかなり込み入っているので整理してみる。

<木患子>はムクロジ科ムクロジ属のムクロジのこと。<木患子>も音読みでは<モクカンシ>でモクゲンジではない。 <患>の現代中国語は発音は<huàn>で<カン>ではないが<kuàn>に近い発音をする人が今でもいる。木患子あるいは無患子という言葉が日本に輸入されたときはかなり高い確実で<mu-kuan-zi>に近い発音だっただろう。もっとも文字として輸入された可能性も高い。

学名、Koelreuteria paniculata の現代の中国名は<欒樹>だ。つまり

モクゲンジ(木患子)= 欒樹

欒樹の現代中国語の発音は luán shù。「木欒子」は<mu-luan-zi>となる。

つまりは<モクゲンジ>は「木欒子」のことなのだが、これは音読みにすると<モクロクシ>あるいは<モクラクシ>のようになるだろう。だが中国語「木欒子」の発音 は上のように<mu-luan-zi>だ。これを加味すると、<mu-kuan(-zi) + (mu-)luan(-zi)>で<mu-kuan-luan>で<ムクロ>に近くなる。

あるいはこの語の輸入時は<木>の発音は現代中国語(北京語)の<mu> ではなく<muk>で「木欒子」の発音 は<mu-luan-zi>ではなく<muk-luan-zi>であった。これはこじつけではなく、現代広東語(古い中国語の発音を残すといわれている)はでは<木>は<mok>と発音する。日本語でも音読みは<モク>だ。<muk-luan-zi>はかなりムクロジに近い。

一方<本種の漢名「木患子」>とあるが、少なくとも現代では本種の漢名は<無患子>で木患子」ではない。無は現代中国語では wu と発音するが日本語の音読みは<ム(mu)>だ。<無患>で<患(わずらい)が無い>になる。これは縁起をかついだ名づけだろう。下記の中国版Wiki の解説では

本草綱目稱为木患子

とある。

中国版Wiki の解説

無患子(学名:Sapindus saponaria)属于无患子科无患子属,古時又稱「」,又有噤婁肥珠子油珠子鬼見愁等別稱,本草綱目稱为木患子香港的舊式藥材舖習慣稱為木眼仔四川油患子海南島苦患樹台灣又名黃目子(n̂g-ba̍k-tsí),亦被稱為油羅樹洗手果肥皂果樹

無患子與荔枝龍眼同屬無患子科。相傳以無患樹的木材製成的木棒可以驅魔殺鬼,因此名為無患;學名Sapindus是saponis indicus的縮寫,意思是「印度的肥皂」,因為它那厚肉質狀的果皮含有皂素,只要用水搓揉便會產生泡沫,可用於清洗,是古代的主要清潔劑之一,一直在亞洲各地區用到20世紀初,但工廠清潔劑誕生後,卻因為價格和生產問題乏人問津,加上無患子不是很適合公園植栽的樹種,因口感比不上龍眼(較酸),可耕地上個體幾乎被砍伐殆盡,現代年輕人已經幾乎完全不知道其除污功能。 


相傳以無患樹的木材製成的木棒可以驅魔殺鬼,因此名為無患

と名前の由来がある。 上で書いた<患(わずらい)が無い>とはズレがある。

石鹸(せっけん)になるムクロジに加えてムクロジ科には果物の木のライチ(荔枝)、ロンガン(龍眼)がある。果実は似ているが見ただけで区別がつく。













ロンガン(龍眼)

 

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