Friday, September 4, 2020

ハス


ハスの花は真夏に咲き、炎天下でも serene な印象を与え serene  beauty を示す。だが serene の適当な日本語の訳語が見つからない。中国は蓮(花)または荷花という。荷花は古名ということだが香港では普通<荷花>が使われる。

 Wiki中国語版では

 

在中華文化

中國古代的文學家認為荷花聖潔高雅,所以在古代詩詞歌賦,經常會有歌頌荷花的篇章。比如曹植在《芙蓉賦》中說「覽百卉之英茂,無斯華之獨靈」,《群芳譜》中說,「凡物先華而後實,獨此華實齊生。百節疏通,萬竅玲瓏,亭亭物華,出於淤泥而不染,花中之君子也。」周敦頤的《愛蓮說》寫到「予獨愛蓮之出淤泥而不染,濯清漣而不妖,中通外直,不蔓不枝;香遠益清,亭亭淨植;可遠觀而不可褻玩焉」,是對荷花最出名的讚譽。許顗《彥周詩話》稱:「世間花卉,無踰蓮花者,蓋諸花皆薰風暖日,獨蓮花得意於水月清渟逸香,雖荷葉無花時亦自香也。」出於對荷花的喜愛,文人給荷花取了很多不同的名字。依照外形,起名荷花,取「蓮莖上負荷葉,葉上負荷花」(《本草綱目》)之意;另外還有,「未發為菡萏,已發為芙蓉」(《說文解字》)。李商隱也寫有詠荷詩。 

 ”

という解説があり、聖潔高雅が serene に近いようだが、<聖>の字の意がよくわからい。<高潔高雅>とすると少し俗っぽくなる。ハスは<不俗>でないといけない。<出淤泥而不染>(泥から出でて泥に汚れず)とてつもなくきれいな花を咲かせる。中国人はこれを<花中之君子>とみなすようだ。<濯清漣而不妖>の意味もよくわからないが<清>や<不妖>(妖(あやしげなところ)がない、ということだろう)は serene の一部だ。またこれまたよくわかないが<獨蓮花得意於水月清渟逸香,雖荷葉無花時亦自香也>からすると香があるようだが、近づかないとわからないだろう。近づくには足をどろだらけにしないといけない。公園では池の中へは進入禁止だろう。

ところで、別のところで書いたがイタリア語には特別な意味を持つserenità という語がある。簡単な伊英辞書では

serenità  

 [sereniˈta]  feminine noun

peacetranquillityserenity
 
と訳されるが、<イタリア文化>では serenità は根が深く広い。イタリア語版Wikiの<serenità >に長い解説がある( https://it.wikipedia.org/wiki/Serenit%C3%A0)。大幅にはしょって言うと
 
哲学的な(したがって)まことの幸福の状態
 
で、これがserenità>と解釈できる。

さて植物のハスの話に戻ると

Wikiの解説


ハス(蓮、学名:Nelumbo nucifera)は、インド原産のハス科多年性水生植物

地下茎は「蓮根」(れんこん、はすね)といい、野菜名として通用する。

(中略)

日本での古名「はちす」は、花托の形状をの巣に見立てたとするのが通説である。「はす」はその転訛。

(後略)


<ハス科>は新しい分類で少し前まではスイレン科のハス属だったが(今でも名札ではスイレン科となているのを見かける)

ハス科 (ハスか、Nelumbonaceae) は双子葉植物の一つである。現生の属はハス属のみで、多年生の水草であるハスキバナハス(北米原産で花が黄色)が属する。

かつてはスイレン科に入れていたが、近年の研究によればスイレン科とは系統が大きく異なり、APG植物分類体系ではヤマモガシ目に入れられている。他のヤマモガシ目植物(ヤマモガシ科スズカケノキ科はほとんどが木本)とは見掛けは全く似ていない。

(全文)

という簡単な記述。ハス科として独立しているがハス属のみでは分類といえるか?ヤマモガシは見たとこがないが、確かに<スズカケノキとは見掛けは全く似ていない>。見方を変えると解けそうもない植物のミステリだ。したがって、スイレンはハスと似て非なるものということになる。モネの絵はスイレン。スイレンも美しい。だが、好みもあるが、スイレンの花の美はハスの花の美にはるかに及ばない。

英語ではスイレンは Water Lily、ハスは Lotus で、Water Lily の方がなじみがあるようだ。日本では、日本語のハスが<ハチの巣(ス)>由来からすると花にはあまり目が向いていなかったようだ。また<はすっぱ(蓮っ葉)>という言い方があり、こちらは葉の方に目が向いている。 レンコンは蓮根で、こちらは根で食用だ。いづれにしても花が日常の言葉上はあまり出てこない。

中国でハスの花の絵はボタン(牡丹)の花の絵(富貴の象徴)に次いで多いと思う。数えられないが人口14億人を考えるとそこそこのレベルのものだけで10億枚を超えるだろう。 私も一昨年と今年挑戦してみた。去年は雑草のスケッチに忙しかった。



 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 


 

 





 

 

 

 

 

 

これは咲き終わりのころの花のようだが、赤-ピンク-白のグラデーション、先は少しとがっているがお椀型の花びらがスイレンと大きく違うところで、このあたりがハスの花の美になっているようだ。

 追記

<serene の適当な日本語の訳語が見つからない>と書いたがみつかったので忘れないうちにかいておく。<おだやか>というやまとことばだ。

心おだやかにしてハスの花さらに美し。

 さらに一般化して

心おだやかにして花さらに美し。

心おだやかにして見るものさらに美し。

(ハスの花の場合には、 ハスの花をみると心がおだやかになる。おだやかな心でハスの花を見るとハスの花はさらに美しくなる、という関係を表現したもの。)

 

 sptt

Wednesday, September 2, 2020

クワ、イチジク


クワ(桑)の語源はいろいろありが、よくわからないというところだ。二音節の植物名(ただし科名になっている植物のみ)には、これまで取り上げたところでは

ツタ、ウリ、ヒユ、マメ、タデ、ナス、キク(これは漢語由来)、セリ、グミ、メギ

があるが、 ツタは<ツタわる>、タデは<田(た)に出デ)る>、セリは<セリあがる、セリ出す>の<セリ>が語源のようだがこれらも確かではない。クワの語源は諸説ある。

またまたWikiのおせわになるがコピーペイストすると、


クワ科
(クワか、Moraceae) はバラ目に属する被子植物の一つ。約40、1000以上(半分以上がイチジク属)あり、特に熱帯亜熱帯に多い。木本または一部草本で、よく知られる種ではクワイチジク、熱帯果樹のパンノキパラミツ(ジャックフルーツ)、観葉植物にされるインドゴムノキガジュマルなどがある。は小さい単性花で、穂状花序または頭状花序を作り、果実は集合果となるものが多い。特にイチジク属は特徴的な壷状の花序(隠頭花序)を作り、全体が1個の果実のように見える。

イチジクの語源

Wikiの解説は

無花果」の字は、花を咲かせずに実をつけるように見えることに由来する。中国で名付けられた漢語で、日本語ではこれに「イチジク」という熟字訓を与えている。中国で「映日果」は、無花果に対する別名とされた。

映日果」(インリークオ)は、イチジクが13世紀頃にイランペルシア)、インド地方から中国に伝わったときに、中世ペルシア語「アンジール」(anjīr)を当時の中国語で音写した「映日」に「果」を補足したもの。通説として、日本語名「イチジク」は、17世紀初めに日本に渡来したとき、映日果を唐音読みで「エイジツカ」とし、それが転訛したものとされている。

” 

<映日果を唐音読みで「エイジツカ」とし>と書いてあるが「エイジツカ」は唐音読みではなく日本の現代<音読み>。現代北京語では (インリークオ)ying-ri-guo。

映はおそらく昔も ying で日本人の耳には<イ>あるいは<イン>と聞こえた。

<日>は現代北京語では ri だが、ji(ジ)さらには今は日本語では区別がなくなっているが<チ>の音を伴った<ヂ>に似た音、で発音されていた。したがって、そのように聞きえた。

果はguo で<クオ>

以上を並べると 

イ(ン)-(チ)ジ-クオ

これだとイチゴに近いが、(チ)ジは長く、クオは短く発音された。そうすると、イ(チ)ジ-クになる。私の耳がまちがっていなければ、台湾人が<日本>を<ズーベン>と言うの聞いたことがある。北京語の ri はかなり特殊な発音だが、練習すればできるようになる。 練習中は<ji(ジ)>に近い発音をすることになる。

 

クワ( Morus alba)


クワ科はとりたてて大家族というわけではなく、熱帯、亜熱帯に多いので、日本ではクワとイチジクが代表か。一方亜熱帯かそれに近い香港では街中でもよく見る種が多い。日本のイチジクはほとんど見ないが、イチジク属(Ficus)の榕樹が目立つ。多くは中木、大木だ。カラオケでよく聞く<北国の春>の中国語版は<榕樹下>だ。 よく目にする榕樹にもいくつかの種類がある。榕樹は日本の北国にはないだろう。

この榕樹の日本語をさがしてみたが、なんと<ガジュマル>という外来語みたいな日本語(下記の説)。

Wiki:ガジュマル


ガジュマル(学名:Ficus microcarpa、漢名:細葉榕、正榕、榕樹)は亜熱帯熱帯地方に分布するクワ科イチジク属常緑高木

樹高は20m。実はコウモリなどのとなり、に混ざった未消化の種子は土台となる低木や岩塊などの上で発芽する。幹は多数分岐して繁茂し、囲から褐色の気根を地面に向けて垂らす。垂れ下がった気根は、徐々に土台や自分の幹に複雑にからみつき派手な姿になっていく。ガジュマルの名の由来は、こうした気根の様子である「絡まる」姿が訛ったという説がある。

 ”

ガジュマルは沖縄(琉球)語ではないか?<榕樹下>の<榕樹>はかなりの確率でこのガジュマル(細葉榕)。

正確には

ガジュマル=学名:Ficus microcarpa、漢名:細葉榕、で榕樹はこの種の樹木の総称だ。日本ではベンジャミンという小型の観葉植物があるようだ。このベンジャミの中国名は垂榕(学名:Ficus benjamina)でそこそこの大きさのものが街中や公園で見られる。 ガジュマルは横にも広がる大木になるがベンジャミン(垂葉榕)はこれに比べると小ぶりだ。ガジュマルの葉は中国名<細葉榕>が示すように大きな木に比べる小さい。

<榕樹下>の<榕樹>はかなりの確率で横にも広がるこの大木のこのガジュマル(細葉榕)。

 
 

ガジュマルI(細葉榕、Ficus microcarpa

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ガジュマルI(細葉榕、Ficus microcarpa) Close - up with fruits

 

 


 

 垂葉榕(学名:Ficus benjamina)

 

これとは対照的に葉の大きな榕樹があり、大葉榕(学名:Ficus virens)と呼ばれるが、香港では<黃葛樹>という別の名もある。こちらの方も大木になるが縦に広がって伸びていく。葉が大きく背が高いので広く濃い木陰を作る。また落葉するが秋とは限らないようだ。またよくは観察していないが新芽も落葉後まもなくか、同時か、はたまた適当な時期に出てくるようだ。大葉榕の新芽、新葉は美しい。

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大葉榕(Ficus virens

 

その他の榕樹(香港で街中、街路樹、公園などで普通に見られるもの)。中国語版Wikiでは

が紹介されているが、細葉榕と大葉榕は紹介した。上記のうち雷州榕は見たことがないが。その他は見たことがある。


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

高山榕(Ficus altissima) 写生した木は小さいが、大きなのもあり見応え、存在感がある。<altissima>は高山というよりは木の背が高いことからついた名前だろう。

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

菩提樹 (Ficus religiosa)。調べる予定だが、これと似た假(仮)菩提樹(Ficus rumphii)というのがある。このスケッチはVicotoria Park の木だが、だいぶ前のスケッチ当時は名札が<菩提樹 (Ficus religiosa)>となっていたが、最近見たら名札は<菩提樹((Ficus rumphii)>となっていた。 菩提樹もFicus グループ。中国名は心葉榕。

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Ficus hispida 對葉榕 (これもよく目にする)<hispida>は葉がザラザラしているところからついた名前。

 

上述のWikiの解説にでてくる<熱帯果樹のパンノキ、パラ蜜(ジャックフルーツ)>は日本では名前もなじみがないが、香港では現物の木と実が見られる。

Wiki


パンノキ(学名:Artocarpus altilisクワ科パンノキ属英語版常緑高木属名はギリシア語パン(artos)と果実(karpos)からなる。無核種はタネナシパンノキ(英:Breadfruit tree)、有核種はタネパンノキ(英:Breadnut tree)。
 

パラミツ(ハラミツ、波羅蜜、菠蘿蜜、学名:Artocarpus heterophyllusクワ科パンノキ属常緑高木。英語で、ジャックフルーツ(jack fruit)

(菠蘿:Pineapple)



 

 

 









パンノキ(麵包樹、 Artocarpus altilis

スケッチブックには<麵包樹、 Artocarpus altilis>と書いてあるが、近くに実の大きな菠蘿蜜(jack fruit)とおぼしき木があったので間違いかもしれない(これもスケッチした)。機会があればチェックしてみる。

 

 

 sptt