Saturday, April 25, 2020

フウロソウ


フウロソウは漢字では風露草と書くが、風露草というのは中国にはないようだ。またフウロソウ科と科名にはなっているがフウロソウという種はない。みなxxフウロソウだ。

日本語としての風露草の英語訳は geranium (ゼラニウム)。一方 geranium の中国語訳は

英語圏のEnglish - Chinese ネット辞書では天竺葵(テンジクアオイ)でこれは中国語。日本語でもあるはが
天竺葵といわゆるゼラニウムは似てはいるが違う。

一方中国圏の
English - Chinese ネット辞書ではでは、geranium の品種によっていろいろな(なじみのない)名前がついているが風露(草)は出てこない。

多いのは xx
老鸛草、天竺葵。
 

属名では


"geranium" 中文翻譯n. 【植物;植物學】牻牛兒苗屬,老鸛草屬,〔G-〕 老鸛 ...


属の上の科では<牻牛儿苗科 (というのが出て来る。牻はmángと発音し、意味は<毛色黑白相雜的牛>なので牻牛あるいは牻牛儿で<毛色黑白相雜的牛>の意だろう。
 
この馴染みのない<牻牛儿苗>は科の上の目にも出てきて<牻牛儿苗目 (Geraniales)>。牻牛儿苗は何か意味があるのか、あるいは音訳か。  似ている発音は牛(現代北京語ではniu)で germaniumniu になる。儿(v)は曖昧母音の er ではっきりした音ではない。見慣れない<牻>は上記のように現代北京語ではmáng(マン)語尾のng はn に近く、germanium の man最後の<苗>は現代北京語では miao以上をつなぎ合わせると

máng + niu +(er )+ miao  ->  niu m(iao)

になる。したがってgermanium の音訳に近い。頭の ger が抜けているが、これは

 Amerian アメリカン) -> メリケン粉(こ(な))の例があり、germanium の ger は弱く、短く発音されれば、西洋語に慣れない耳にははっきり聞き取れず ( )manium と聞こえる。 germanium が何語で中国に入って来たかも問題だが、かなり高い確率で牻牛儿苗はgermanium の音訳といえる。

一方、上記の老鸛草はGreek geranion, from geranos ‘crane’ なので意訳と言える。

さて<牻牛儿苗目 (Geraniales)>は 
 
酢浆草科(Oxalidaceae)  - カタバミ科
牻牛儿苗科 (Geraniaceae)    - フウロソウ科
金莲花科(Tropaeolaceae)
凤仙花科(Balsaminaceae) - ツリフネソウ科 (ホウセンカ科)

の五科。 (別の分類もある)

いろいろ調べたが風露(草)の名は出てこない。また草花名とは関係な風露も調べて見たが風和露(風と露)>で漢字、漢語の中国人でも特に連想は働かないようだ。

したがって<風露(草)>は和製漢語。あるいは本来はやまとことばで、その音訳の可能性もある。

風呂(フロ)は関係があるか?風呂(フロ)の語源。

Wiki


日本語風呂の語源は、2説ある。
  • もともと「窟」(いわや)や「岩室」(いわむろ)の意味を持つ(むろ)が転じたという説(*)
  • 抹茶を点てる際に使う釜の「風炉」から来たという説
(*)当時の入浴は湯につかるわけではなく、薬草などを入れた湯を沸かしその蒸気を浴堂内に取り込んだ蒸し風呂形式であった。風呂は元来、蒸し風呂を指す言葉と考えられており、現在の浴槽に身体を浸からせるような構造物は、湯屋・湯殿などといって区別されていた。)



風呂(フロ)は日本人の生活、ひいては日本文化の特徴でもあり、極度に高いなじみがあるが、草花とは結びつきにくい。

一方<風炉>は一定の形があり、この形は花の形(味方によっては葉や実の形)に似ていないこともない。また花の名前としても連想は風呂ほど悪くはない。

上記の中国語版の分類では

 フウロソウ目では

酢浆草科(Oxalidaceae)  - カタバミ科
凤仙花科(Balsaminaceae) - ツリフネソウ科 (ホウセンカ科)

が馴染みがある。

 フウロソウ科でなじみのあるのは

フウロソウ属ではゲンノショウコ。このフウロソウ属の中に<xxフウロソウ>というのがいくつかある。ネット上の写真を見る限りでは花は小ぶりで紫色が多い。大きくはないが花がつく茎は比較的ながい。葉も似ている。花は香港でよく見られる雑草のムラサキカタバミの花に似ている。だが葉の方は<xxフウロソウ>の多くは菊形が多いががムラサキカタバミの方はカタバミ形(三つ葉のクローバ)だ。




















ムラサキカタバミ


テンジクアオイ属(Pelargonium)では天竺葵といわゆるゼラニウムが代表。天竺葵は中国語由来だが、名前からすると中国でも外来種だ。こちらの方はGreek pelargos ‘stork’ で首の長い鳥(コウノトリ)だ。天竺葵(テンジクアオイ)は響きのいいことばだ。
















天竺葵

様相はかなり違うが花がつく茎の長いところ、つぼみのつき方はカタバミに似ている。


sptt











Sunday, April 19, 2020

アカネ(2)-クチナシ


前回のポスト<モクセイ(木犀)、ソケイ(素馨)>では主にモクセイ科のジャスミンをとりあげたが、学名からは<ジャスミンもどき>の花がある。クチナシだ。クチナシの学名はGardenia jasminoides という。

細かいことを言うと Gardenia はクチナシ属のことで、 <クチナシ属(学名:Gardenia)は、アカネ科の植物のであり、アフリカ、南アジア、オーストラリアおよびオセアニアの熱帯および亜熱帯の地域に自生している。>(Wiki) 調べるとそこその種があるが熱帯、亜熱帯に多く、日本でなじみのあるのはクチナシ Gardenia jasminoides だ。


クチナシ(梔子、学名: Gardenia jasminoides

花はかなり強い香りがあるが、モクセイほど強烈ではない。一重と八重があるが八重の方は通称Cape Jasmine と呼ばれるいうだ。日本では<ジンチョウゲ、キンモクセイと並んで三大香木>ということだが、<三大>の中にジャスミンが入っていない。クチナシの香りはジャスミンに似てはいるがジャスミンより<甘い>感じだ。香港では香木の花は豊富で、街中でもよく見る大木で葉の大きいの<白蘭>、大きな花のタイサンボク、バナナの香りの<含笑、Banana Shrub)>などなどがある。概して香木は熱帯、亜熱帯に多い。

























一重クチナシ



























八重クチナシ、Cape Jasmine


sptt


Sunday, April 12, 2020

モクセイ(木犀)、ソケイ(素馨)


<モクセイ>は<木犀)>でやまとことばではないが、取り上げることにする。

<モクセイ>は耳で聞いただけでは、アクセント(イントネーション)が違うが、木星がまず連想される。実際には<キンモクセイ>、<ギンモクセイ>で使われるので間違いはないが、<モクセイ>だけでは木犀を思い浮かべるまで時間がかかりそうだ。<木犀)>の<犀>は動物の<サイ>でまずは動物園かテレビ、インターネットでしか見られない。室生犀星という詞人、小説家がいたが動物の<犀(サイ)>とは関係ないようだ。犀の字は牛の字があり、書くのが特に難しいわけではないが、めったに書くことはない。<木犀)>は木の肌(皮)が犀の皮に似ているからだそうだが、犀の皮に似てい木はほかにもたくさんありそう。細かく言えば<犀皮木>になるべきだが、木蓮(モクレン)というのもある。こちらの方は<木の蓮(ハス)の花>の連想がはたらく。少し考えると木犀というのは変な名前だ。
<キンモクセイ>と<ギンモクセイ>は基本的には同じ種で色が違うだけだ。香港で見る限り、<ギンモクセ>は(佳花と呼ばれるが)少し黄色っぽい。さてこの<モクセイ>がモクセイ科を代表することになる。

モクセイ科の種はWikiによると、


モクセイ科(モクセイか、Oleaceae)は、双子葉植物に属する科。木本で、つる性のものもある。花弁は合着して4裂(一部5-8裂)の合弁花冠を形成する。花は芳香を放つもの(モクセイジャスミンライラックなど)が多く園芸や香料に利用される。またオリーブは食用としてよく利用される。


で<花弁は合着して4裂(一部5-8裂)の合弁花冠を形成する。花は芳香を放つものが多い>のが特徴だろう。香はあるが、その分白い小さい花が多いようだ。

Wikiを続けると



分類

約25属600種が属する。

それほど多いわけではない。
(前略)
 
レンギョウ連 Forsythieae
2属。
(中略)
ソケイ連 Jasmineae
果実は二裂する。ソケイ属 Jasminum 1属に200種以上が属し、一般的にはジャスミンとして知られる。ソケイオウバイオウバイモドキなど。
 
オリーブ連 Oleeae
染色体数n =23、真正木繊維を持つ、フラボン配糖体の存在など多くの派生形質を持つ、よくまとまった単系統群である。

Ligustrinae
ユーラシア産。2属に約65種が属する。
Schreberinae
  • Schrebera - 4種。アフリカ・インドの熱帯域。
  • Comoranthus - 3種。マダガスカル・コモロ。
Fraxininae
トネリコ属 Fraxinus のみ。トネリコアオダモヤチダモシオジなど約50種が属する。果実は翼果
Oleinae
果実は核果


上記のうち馴染みのある(頭の中にある)のはレンギョウトネリコオリーブ、ジャスミン、モクセイ。
モクセイ科(モクセイか、Oleaceae)のOleaceaeはオリーブ由来だ。

ソケイ連、ソケイ属は馴染みがないがJasmineae、Jasminum ならなじみのあるジャスミンが出て来る。聞きなれない<ソケイ>とは何か?
 
ソケイは素馨で、<馨>の字はなじみがないが、明治時代の政治家に井上馨(かおる)とう人がいた。明治時代は漢文の素養のある人がたくさんいたが、今の人で素馨をソケイと読めるひとはほぼいないだろう。調べて見たが、中国語では素馨はピンインで suxin (スシン)と発音する(四声は調べていない)。馨は声と香を合わせた字だが声(聲)はsheng、香 は xiang なので、中国人でも馨を xin と読めるひとは少ないのではないか?
 

ソケイ連 Jasmineae
果実は二裂する。ソケイ属 Jasminum 1属に200種以上が属し、一般的にはジャスミンとして知られる。ソケイオウバイオウバイモドキなど。
 ”
 
とあるがジャスミンの種(xxジャッスミン)が出てこない。ジャスミンとソケイの関係はどうなっているのか?
 
 From Wiki

Jasminum grandiflorum

ソケイ(素馨、Jasminum grandiflorum)は、モクセイ科ソケイ属(素馨属)の植物の一種。落葉性灌木である。ソケイ属の名前のもとになっている。オオバナソケイ(大花素馨)とも呼ばれる。英名、中国名が多く、英名はSpanish jasmine、Royal jasmine、中国名は素馨、素馨花、素英、耶悉茗花、野悉蜜、玉芙蓉、素馨针などである。

語源
  • 中国、五代十国時代劉隠、その侍女に素馨という名の少女がいて、死んだ彼女を葬った場所に素馨の花が咲き、いつまでも香りがあったという伝説が由来という説[1]
  • 花の色が白く(素)、良い香り(馨)がする花という意を語源とする説[1]
がある。

中国語Wiki
素馨学名Jasminum grandiflorum



個人的には<素馨という名の少女>の語源がいい。素馨から花や木の名前はよりも女性の名前が似合っているのではないか?


Jasminum sambac

マツリカ(茉莉花、アラビアジャスミン)は、モクセイ科ソケイ属(ジャスミン、素馨)の1種の常緑蔓性灌木。学名Jasminum sambacインドスリランカイラン東南アジアなどで自生する。サンスクリットマリカー (サンスクリット語ラテン翻字: mallikā) が語源。 



マツリカ=茉莉花は結び付きにくい。マツリはまず<祭り>を連想させる。茉莉茶はマツリ茶ではなく<ジャスミン茶>になっている。森鴎外は娘の名に<茉莉(マリ)>をつけている。森茉莉。

 

















 ”


ハゴロモジャスミン(羽衣素馨、英:Pink Jasmine、Jasminum polyanthum)は、モクセイ科ソケイ属(素馨属 Jasminum)の植物の一種。蔓性常緑性灌木



なぜ<はごろも>なのか?


中国語Wiki

多花素馨学名Jasminum polyanthum





 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
二番目はJasminum undulatum, Elegant Jasmine となっているが、花は多く、多花だ。花やつぼみの形や色は多花素馨学名Jasminum polyanthum)に似ている。
 
 
 ジャスミンの花は<芳香を放つ>が<花弁は合着して4裂(一部5-8裂)の合弁花冠を形成する>とは言い難い。
 
” 
 モクセイ属 Osmanthus
  • ギンモクセイ(銀木犀:Osmanthus fragrans;中国名:銀桂):花色は白。
  • キンモクセイ(金木犀:Osmanthus fragrans var. aurantiacus;中国名:丹桂) : 花色は金橙色。
 
モクセイの花は<芳香を放ち>、小さいがよく見ると<花弁は合着して4裂の合弁花冠>だ。




黄色っぽいギンモクセイ(銀木犀)。香りは相当強い。


-----
 
ハシドイ、トネリコはやまとことばだ。
 
Wiki
 
ハシドイ
 
ハシドイの語源は不明だが、花が枝先に集まることから「端集い」によるともいわれる。
 
トネリコ
 
和名の由来は、本種の樹皮に付着しているイボタロウムシ[1]が分泌する物質(イボタロウ:いぼた蝋)にあり、動きの悪くなった敷居の溝にこの白蝋を塗って滑りを良くすることから「戸に塗る木(ト-ニ-ヌル-キ)」とされたのが、やがて転訛して「トネリコ」と発音されるようになったものと考えられている
 
イボタノキという名前の木がある。 
 
Wiki


イボタノキ(水蝋樹・疣取木、学名:Ligustrum obtusifolium)は、モクセイ科の落葉低木。日本各地の山野に自生する。

(中略)

葉は対生し、長さ2~5cmの楕円形をしている。はじめは黄緑だが、次第に深緑になり、表面につやがなく、柔らかい。

花期は初夏、ギンモクセイに似た芳香ある筒状で先の四裂した白い小さな花を、総状に小枝の先に密集して咲かせる。花序は先端が垂れる。晩秋には直径6mmほどの楕円形の果実がなる。果実は核果で紫黒色に熟す。


Ligustrum はイボタノキ属の学名で、上記のイボタノキの解説にあるよう特徴がある。対応する英語と中国語は

英語:Privet
中国語:女楨属

でこちらの方が人によってはなじみがあるかもしれない。

イボタノキ属ではイボタノキ以外にもあるが

がなじみがあるかもしれない。<xxxモチ>の名前だがモチノキ科ではなくモクセイ科。ついでながらややこしいの西洋でクリスマスに使われるセイヨウヒイラギはモチノキ科でヒイラギのような葉と赤い実(イバラの冠と血でキリスト受難の象徴)。一方日本のヒイラギは香りのある小さい白い花をつけるモクセイ科だ。

日本のヒイラギ

ヒイラギ(柊・疼木・柊木、学名: Osmanthus heterophyllus)(Wiki)

 

話はイボタノキ属(Ligustrum)にもどって香港では Ligustrum sinense というのがよく見られる。北京語では<小蠟>だが、広東語では<山指甲>。花に鼻を近づけるとかなり強い独特香りがある。ひとにもよるが<清香>といえる。











 

 

 

 

 

Ligustrum sinense  山指甲

 

sptt