キツネノマゴの学名は
Justicia procumbens 。一方キツネノマゴ科の学名はAcanthaceae。この学名Acanthaceae を残してるのは
日本語では (Wikiの解説から)
ハアザミ亜科 Acanthoideae はキツネノマゴ科最大の亜科で217属3220種を含み、6連に分けられる。
- ハアザミ連 Acantheae 21属500種
ハアザミ属 Acanthus -
アカンサス
キツネノマゴの方は
- キツネノマゴ連 Justicieae のキツネノマゴ属 Justicia
のキツネノマゴ(Justicia procumbens)。
Wikiの解説では
”
特徴
(前略)
名前の由来はよく分かっていない。花序が花の咲いたあとに伸びるのがキツネの尾のようだとか、花の形がキツネの顔を思わせるからなどの説も見かけるが、根拠に乏しい。腰痛、風邪ひきに薬効があるともいうが、あまり用いられない。よく見れば可憐な花をつけるが、小さくありふれていることから注目度は低い。
”
根拠のない個人的な意見だと思うが<注目度は低い>キツネノマゴが科を代表する名になっている。<キツネの尾>も<キツネの顔>もそのままでは<キツネノマゴ>にはならない。写真で見る限り花序はキツネの尾ほど立派ではない。おそらく<マゴ>は<孫>ではなく、花が小さいので<小さいキツネ、コギツネ>の意の<キツネノコ>の<コ>に優美辞の<ま>がついたものだろう。<マキツネノコ>にはなりにくい。<かわいい、小さいキツネの子>を連想させた、と解釈したらどうか。もう一つは<キツネの顔>で<キツネのま顔(がお)>が<キツネノマゴ>になったと考えられる。<注目度は低い>草なのでこのように名前を詮索する人はほとんどいないと思われる。これから取り上げる中国語名では<注目度は高い>ようで別名がやたらある。その中に<小青草>というのがある。
中国語の方は、Wikiでは
爵床科: Acanthaceae
老鼠簕属 Acanthus
(注:老鼠簕.簕是指有刺的葉片.老鼠則指果實的形狀似老鼠.你話呢?
(http://www.hktree.com/visit/mangrove_ai.htm))
爵床属(学名:Rostellularia)
爵床(学名:Rostellularia procumbens)
でズレがある。ラテン語のprocumbens は<頭を垂れる>といった意味だ。もっともWiki以外の別の資料では多くは爵床=Justicia procumbens となっている。
”
中文名稱:
| 爵床
更多爵床 |
| ‧英文名稱: |
Rat-tail
Willow,Creeping Rosellularia |
‧學名:
|
Justicia
procumbens Linn.
Justicia procumbens L. var. riukiuensis Yamamoto
Rostellaria
procumbens
(L.) Nees
Rosetllularia procumbens (L.) Nees
(爵床-本草經)
Rostellularia procumbens (L.) Nees var. riukiuensis
(Yamamoto) Ying
Justicia procumbens L. var. procumbens |
‧科名:
|
爵床科(Acanthaceae)爵床屬(Justicia) |
‧別名:
|
爵床(本草經),小鼠尾癀、鼠尾紅、鼠尾癀、筆尾紅、鼠筋紅、麥穗紅、風尾紅、香蘇『別錄』、赤眼老母草『唐本草』、赤眼『品匯、小青草『百草鏡』、蜻蜓草『綱目拾遺』、Ryakata'ppu、Zyakata'ppu(排灣)
|
”
台湾系のサイトhttp://kplant.biodiv.tw/%E7%88%B5%E5%BA%8A/%E7%88%B5%E5%BA%8A.htm
さてこの中国語<爵床>だが、少し調べてみると、これはどうも
Justicia の音(オン、オト)読み(訳)のようだ。ちなみに英語では
[dʒʌs'tɪʃə] と発音する。北京語では<爵>は<
jué>(チュエ)と発音する。一方<爵>の意味は
1)古代饮酒的器皿,三足,以不同的形状显示使用者的身份。
2)君主国家贵族封号(中国古代分为“公”、“侯”、“伯”、“子”、“男”五等):爵位。官爵。爵禄(爵位和俸禄)。爵士。
(中国語サイト辞典)
とあり2)の方が日本人にはなじみがあるが、1)2)ともキツネノマゴとはまったく関係ないといっていい。<爵士>は上記2)の意味の熟語以外とは別に、英語の<Jazz>の音(オン、オト)読み(訳)で、<爵士舞>が Jazz dance だ。Jazz は日本語では<ジャズ>と書き、このように発音するが、英語の発音は<ジュエズ>を短くしたような発音だ。 この<ジュエズ>は中国語の<爵
jué(チュエ)士(si、ス)の方が近い。<Jazz>の後の<zz>も<(ズ、zu)ではない。多分アメリカで<ジャズ>と発音しても通じないだろう。さて、これだと<爵床>の<床(chuang)>の説明がないが、
Justicia の<sticia >相当の語呂合わせとして加えたもの、としておく。 <爵床>は<爵状(zhuang)>とも書いていたようで、<床>(ゆか、中国では bed か)の意味はない。あくまで<爵
jué>で代表しているのだ。
いずれにしても、爵床=
Justicia (ジャスティーシャ)で、爵床に意味はないのだ。
香港ではキツネノマゴ科で、
Justicia の名はつかないが、小さな似た花で Asystasia micrantha というのが工事現場の近くで群生しているのを見つけた。
話はそれてしまうが、このAsystasia micrantha の中国名は<小花十萬錯>という変てこな名前だ。これはどうも学名の訳のようでAsystasia - Systematic ではない=錯(まちがい)。 micrantha- micro (小さい)。なぜ<十萬>なのかは調べていない。現物でもスケッチでも白い花びらに青紫の小さな二筋がある花は、残念ながらすぐにはキツネの顔を想像させないが、まったく似ていないとも言い切れない。

このイラスト無断拝借。逆三角形の顔と細目の上がり目が特徴で、耳と額(ひたい)が花びら。鼻とヒゲはなくても(手で隠しても)子ギツネの感じは出る。
Wikiののキツネノマゴ科の解説の中に
”
園芸植物も多く、代表的なものとしてアカンサス、コエビソウ、ヤハズカズラ、アミメグサなどがある(栽培には温室が必要なものも多い)。
”
というのがある。リンクがないがヤハズカズラは香港で見られる。野生もある。ヤハズカズラの花は特徴的で、キツネノマゴとはかけ離れて、小型のアサガオだが、多くは黄色かオレンジ色。少し気味が悪いが中心が黒で、英語では Black-Eyed Susan というそうだ。中国名は翼葉山牽牛。牽牛はアサガオ類、ヒルガオ類の中国名だが、山牽牛はキツネノマゴ科だ。だが属名にもなっている。山牽牛と翼葉山牽牛(ヤハズカズラ)は違う。
山牵牛(学名:Thunbergia grandiflora)是爵床科山牵牛属的植物)
また個別種でもある。山牵牛(学名:Thunbergia grandiflora)はブルーのノウゼンカズラともいえ、しばらく誤解していた。
山牵牛(学名:Thunbergia grandiflora)の英語名はいくつかあるが、Bengal clock vine, Bengal trumpet、Blue trumpet vine というのがある。一方ノウゼンカズラの学名はCampsis grandiflora で、英語名は Chinese trumpet vine というのがあるが、Orange (or Scarlet or Red) trumpet vine でもいいだろう。両方とも蔓性の木で色は違いうが七の形(ラッパ型)や大きさ、付き方は似ている。ノウゼンカズラ(Campsis grandiflora)の中国名は凌霄花、科名-属名は紫葳科-凌霄属。
山牵牛(Tunbergia grandiflora)、Blue trumpet vine
日本語は<ベンガルヤハズカズラ>と言うようだ。
ノウゼンカズラ(Campsis grandiflora)、凌霄花、
話はヤハズカズラにもどって
Wiki ヤハズカズラ
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ヤハズカズラ(矢筈葛、学名:Thunbergia alata)は、キツネノマゴ科ヤハズカズラ属のつる性植物で、家庭園芸で観賞用に栽培されている。属名よりツンベルギアとも呼ばれる。
名称
花の中心に目玉のような黒点があり、英語で Black-eyed Susan と呼ぶところから、「黒い瞳のツンベルギア」や「黒い瞳」などの表記も見られる。「黒い瞳」というよりは<黒い目玉>で気味が悪い。
”
中国名は上記のように翼葉山牽牛でヒルガオ科のの牽牛(アサガオ)が使われている。<翼葉>は葉(の根元)に翼があることを言っている。<翼><つばさ>というよりも<やはず>に似ている。
Thunbergia alata
このスケッチ忘れないように Wings と書いておいたが、つるのようで違和感がない。
ところで私は黒い目玉がないのにでくわした。これは気味が悪くなく、むしろあざやかなオレンジ色が美しい。
これもよく見ると<やはず>がある。
Thunbergia を代表する花の一つは老鴉嘴(咀)。鴉は中国ではカラスのことだが老鴉嘴の花はカラスの嘴(くちばし)というよりはアヒル(鴨)の嘴(くちばし)に近いが、後からでてくる鴨嘴(咀)花はもっとアヒル(鴨)の嘴(くちばし)に似ている。いずれもキツネノマゴ科の花の特徴だ。
硬枝老鴉嘴. 學名: Thunbergia erecta
Thunbergia は属名で中国では山牽牛属とも老鴉嘴属とも言うようだ。
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山牽牛属(
学名:Thunbergia),又名老鸦嘴属
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さて、キツネノマゴ科の中に Rungia, 中国名<孩儿草属>というグループ(属)があり、中国版ネット上で出てくる花を見ると、中にはキツネノマゴに似たのがある。<孩儿>の孩は<孫>、儿は<児>でいわば小さい子供、幼児のことだ。つまりは<幼児(姿)草>。かならずしも孫(まご)ではないが、キツネノマゴのマゴと関連がありそう。想像をたくましくすると、キツネノマゴの花は<おばあさんが孫を抱いている、または背負っている>姿と見えないこともない。だがそうすると今度は<キツネ>が何だかわからなくなる。キツネは人を化(ば)かすので、<おばあさんが孫を抱いている、または背負っている>のを花に見えるように化かしている、と考えたらどうか?孩儿草属にはいろいろなのがある。
https://baike.baidu.com/item/%E5%AD%A9%E5%84%BF%E8%8D%89%E5%B1%9E
腋花孩儿草 Rungia axilliflora H. S. Lo
囊花孩儿草 Rungia bisaccata D. Fang et H. S. Lo
中华孩儿草 Rungia chinensis Benth.
密花孩儿草 Rungia densiflora H. S. Lo
广西孩儿草 Rungia guangxiensis H. S. Lo et D. Fang
金沙鼠尾黄 Rungia hirpex R. Ben.
长柄孩儿草 Rungia longipes D. Fang et H. S. Lo
矮孩儿草 Rungia mina H. S. Lo
那坡孩儿草 Rungia napoensis D. Fang et H. S. Lo
孩儿草 Rungia pectinata (L.) Nees
屏边孩儿草 Rungia pinpienensis H. S. Lo
尖苞孩儿草 Rungia pungens D. Fang et H. S. Lo
匍匐鼠尾黄 Rungia stolonifera C. B. Clarke
台湾明萼草 Rungia taiwanensis Yamazaki
云南孩儿草 Rungia yunnanensis H. S. Lo
[1]
残念ながら日本では見られない。
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追加
<よく見れば可憐な花をつけるが>の例
Barleria cristata (假杜鵑)
現物は杜鵑に比べると小さいが花がとてつもなくきれいな青紫。道ばたの草むらに隠れて咲いているのを見つけたが、しばしその美しさに酔い痴(し)れていた。
Eranthemum pulchellum 可愛花(藍花仔)
香港では野生だ。多分<
藍花仔>の方が香港では通りがいいだろう。花の出方(でかた)はキツネノマゴだ。
https://www.treehk.com/%E5%8F%AF%E6%84%9B%E8%8A%B1
野生の
Eranthemum pulchellum 可愛花(蓝花仔)。もちろん写真の方が現物に近い。
Dicliptera chiensis (中国名は狗肝菜)
上のスケッチでは花がよくわからないが(花よりの葉の造形に感心してスケッチした。このときにはキツネノマゴ科とは知らなかった)、下の写真を見れば<よく見れば可憐な花をつける>キツネノマゴ科の花と言えそう。キツネの顔に見えなくもない。
https://www.herbarium.gov.hk/PlantInfo/ACANTHACEAE/Dicliptera/chinensis/125826/304_Dicliptera%20chinensis_%E7%8B%97%E8%82%9D%E8%8F%9C_27-11-2014_125826_LR_WM.JPG
以上は道端や工事現場の脇でみつかる雑草だが、名札付きで公園でよく見かけるのは鴨嘴花と雀尾花だ。
中文名(Chinese Name):鴨嘴花
学名(Scientific Name):Justicia adhatoda L.
英文名(English Common Name):Malabar nut
鴨嘴花 Justicia adhatod
花は鴨の嘴(くちばし)に見える。また花は下向きで頭を垂れている。
雀尾花
Crossandra infundibuliformis
Firecracker Flower
ACANTHACEAE 爵床
Ruellia
芦莉草(英語の中国語音訳、ルーリ)
輸入品種だが路傍に植えられている。爵床科: Acanthaceae 芦莉草属
日本(語)の花では
学名:Justicia brandegeeana
和名:コエビソウ(小海老草) その他の名前:ベロペロネ
科名 / 属名:キツネノマゴ科 / キツネノマゴ属
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