私は、趣味というよりはかなり気を入れた日曜画家になって、ほとんど休みなく毎日曜日に花木のスケッチをしてすでに10年になる。別のブログで Asnet Art Gallery というのがあり、出来のいいのは Public にしてある。
さてなぜか周期的に花木の名前に興味がわいて調べているが、今回は花木(植物)の<やまとことば>に気が(目が)向いたので、気がついたことを書いておくことにする。なぜわざわざ<やまとことば>かというと、私は香港にすんでいるので公園や植物園でみる花木の名札には中国語、ラテン語(学名)、英語が並んでいて、当たり前だが日本語はない。気が向くと日本語名を調べてみるが、すでに知っているのはいいとして、あらたに覚えたものはすぐに忘れてしまう。いまはインターネットですぐに写真入りで調べられるので、また別に試験もないので覚えようとする努力が少なくなっている。
フトモモ
Wiki では
フトモモ(蒲桃、学名:Syzygium jambos)はフトモモ科の常緑高木。 東南アジア原産の果樹。 フトモモの名は中国名の蒲桃(ほとう; プータオ pútáo)が由来。
となっている。この名づけ方法は<荒川>が英語で<Ara River>ではなく<Arakawa River>となるのに似ている。<ほとう+もも> ->ほともも -> ふともも。だが蒲桃(ほとう)は花も実ももも(桃)には似ていない。
シンジウムというのはきいたことがあるような気がするが、これはシンビウム、いやこれもまちがいでシンビジウム(ランの一種)が正解。Syzygium はシジジウムと発音するのか?
フトモモから真っ先に思いうかぶのは男でなくとも<太腿(ふともも)>だろう。なぜか<やせ腿>というのは聞いたことがない。標準の太さの<もも>ででも<ふともも>というようだ。香港の街中でみる蒲桃は、少なくとも2種ある。緑色とピンク色(桃色)の実がなる。ピンク色の方は南洋蒲桃または爪哇(ジャワ)蒲桃というようで(Syzygium samarangense)物屋やスーパーで売っているが、街中の地面に落ちた実をかじったことがある。水気は多いが特に美味というわけではない。花も実も<桃>からはほど遠い。英語では Rose Apple というようだ。実はかむとサクサクしている。一方特徴的な花は甘い香りがする。 同じような姿の花のネムノキの花も同じような甘いいい香りがする。
フトモモ(蒲桃、学名:Syzygium jambos)。
さて、話はまだ続きフトモモ科(Myrtaceae)について少し調べてみる。フトモモ科は中国では蒲桃科ではなく桃金孃(娘)科という洒落(しゃれ)た名前がついている。桃金孃科の桃金孃属(Rhodomyrtus)の中に桃金孃(学名:Rhodomyrtus tomentosa)いうのがある。中国語名は何となくロマンチックだ。日本語名はテンニンカ(天人花)で、娘(むすめ)は出てこないが、これまたくロマンチックな名前だ。tomentosa というのは
tomentosa, tomentosum — hairy
フトモモ科の学名 Myrtaceae はMyrtus 由来で英語では Myrtle という。Myrtus は属名でもあるが、中国語では香桃木属という。
香桃木屬(学名:Myrtus),常绿灌木,属桃金娘科。
この中国語の属名の香桃木の由来は<香りある桃金孃>ということらしい。日本語ではこれまたなじみがないがギンバイカ(銀梅花、銀盃花、学名:Myrtus communis)という。Japan Wiki には
”
ギンバイカ(銀梅花、銀盃花、学名:Myrtus communis)は、フトモモ科の単型の属ギンバイカ属の常緑低木。地中海沿岸原産。英語でマートル(Myrtle)。ドイツ語ではミルテ(Myrte)。属名からミルトス(Myrtus)とも呼ぶ。花が結婚式などの飾りによく使われるので「祝いの木」ともいう。
葉は揉むとユーカリに似た強い芳香を放つことから、「マートル」という名でハーブとしても流通している事もある。
”
という解説がある。ユーカリは後ほど取り上げる。
話がややこしくなってきたので整理すると、つまり
科 属 花
ラテン語学名 Myrtaceae Myrtus Myrtus communis(ギンバイカ(銀梅花、銀盃花)
中国名 桃金孃(娘)科 桃金孃(娘)属 桃金孃(娘) (テンニンカ、天人花、学名Rhodomyrtus tomentosa)
英語 myrtle family myrtle genus common myrtle (ギンバイカ(銀梅花、銀盃花)
日本語 フトモモ科 フトモモ属 フトモモ(蒲桃、学名:Syzygium jambos)
”
ということになる。科名、属名に使われている花がそれぞれ違うのだ。テンニンカ(天人花)(ピンク、桃色)すなわち桃金孃(娘)は(写真で見ると花びらが桃色、おしべの葯(やく)が黄色で、見方によっては娘(むすめ)を連想させる)形も色も他の二つとはまったく違う。ギンバイカ(銀梅花)とフトモモ(蒲桃)はやや似たところがある(色が白で、針状の雄蕊(おしべ)がたくさん外に出ている)が、明らかに違いはわかる。
最近(2021年5月初め)香港公園で名札付きの桃金孃(娘)の花が咲き始めている灌木を見たので早速スケッチしておいた。この公園はよく植え替えをしているので、毎年見るというわけにはいかないだろう。上記の<写真で見ると花びらが桃色、おしべの葯(やく)が黄色>は間違いではないが赤と白の花がある。おそらく白が赤に変わっっていくのだろう。桃金孃(娘)の名前の通りの花だ。英語名は Rose Myrtle となっているが、取ってつけたような名前なので桃金孃(娘)の名前からして中国原産だろう。テンニンカ(天人花)の名前もわるくない。日本では現物が見られないのは残念だ。
主な属を見てみる。
Wiki
属名の後に種名を例示する。
- Leptospermoideae亜科
- Myrtoideae亜科
- Acca - フェイジョア
- エウゲニア属 - Eugenia - ピタンガ
- オガサワラフトモモ属(オオフトモモ属)Metrosideros - ムニンフトモモ(M. boninensis)、ポフトゥカワ(M. excelsa)、ハワイフトモモ、(ノーザン)ラタ(M. robusta)、サザンラタ(M. umbellata)
- キブドウ属 Myrciaria - カムカム
- ギンバイカ属 Myrtus - ギンバイカ
- ピメンタ属(オールスパイス属) Pimenta - オールスパイス
- Plinia - ジャボチカバ
- バンジロウ属 Psidium - グアバ
- テンニンカ属 Rhodomyrtus - テンニンカ
- フトモモ属 Syzygium - フトモモ、チョウジ、アデク、ヒメフトモモ、レンブ
”
聞きなれない、見たこともないものが多いが、以下は見た経験がある。
ブラシノキ(学名:Callistemon speciosus)とあるが<ブラシの木>はいくつかある。
ネット上に詳しい説明がある。
https://www.shuminoengei.jp/m-pc/a-page_p_detail/target_plant_code-928
”
マキバブラシノキ(カリステモン)属は、オーストラリア全域からニューカレドニアに30種が分布する低木から高木の常緑性花木です。ブラシノキの最大の特徴は花の姿で、ビンを洗うためのブラシそっくりの姿です。そこで英語ではボトルブラッシュと呼ばれます。庭木のほか切り花や枝ものとしても生産されています。日本で流通しているマキバブラシノキ(カリステモン)属には、ブラシノキの和名をもつスペキオスス(Callistemon speciosus)、ハナマキの和名でキンポウジュの別名をもつキトリヌス(C. citrinus)、シロバナブラシノキの和名のサリグヌス(C. salignus)、シダレハナマキの和名のウィミナリス(C. viminalis)があります。そのほか、ハナマキにはいくつかの園芸品種が流通しています
"
赤いブラシ状態の花。
これは Callistemon viminalis 。これは葉や花垂れ下がっており中国語名は串錢柳。英語名は(Tall )Bottle-brush。これはこれから紹介する紅千層や白千層に比べまさに Bottle-brush に見える。
赤い花のブラシの木はもう一つあり、中国名を紅千層(学名:Callistemon rigidus)と言うのがある、<rigidus>はrigid で堅いという意味だ。花は赤いが小さい。一方木や葉は堅く rigid で垂れ下がることはない。この紅千層に似ている(花が小さい)が白い花の木があり白千層(Melaleuca quinquenervia)という。まぎらわしいがラテン語学名はMelaleuca で言いやすいCallistemon ではない。この白千層の幹の皮は紙のようなので英語名はPaper bark tree などと言う.
白千層(Melaleuca quinquenervia)
ちなみにquinquenervia は
quinquenervia is from theLatin quinque meaning "five" and nervus, "vein", referring to the leaves usually having five veins.
ユーカリ属 Eucalyptus 中国語:桉樹
大葉桉、Eucalyptus robusta
この<バンジロウ>はグアバの中国名<番石榴(Fan-shi-Liu)>由来だろう。石榴はザクロのこと。<番>は<外来>の意。
花は白。オシベが多いところは桃金孃(娘)(テンニンカ)に似ている。
グアバ
フトモモ((蒲桃、学名:Syzygium jambos)の花は白だが黄色いのがある。
黃金蒲桃(学名:Xanthostemon chrysanthus)
なぜかSyzygiumではなく Xanthostemon。いずれも発音しにくく覚えにくい。これは2018年に初めて街(まち、市街地)でバスに乗っていて出逢ったが、黃金色に感激して途中でバスをおりて見に行った。
黃金蒲桃(Xanthostemon chrysanthus)
Xanthostemon - from Greek xanthos, yellow and stemon, stamens (オシベ)
一方 Callistemon は
The Latin name Callistemon comes from the combination of 2 Greek words of 'callis' meaning beauty and 'stemon' meaning stamen,
これで少しは覚えやすくなる。
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ところで common myrtle に名前が似ている Common Crape Myrtle という木がある。これはフトモモ科ではなく、ミソハギ科のサルスベリ属で学名は Lagestraemia indica で、これはサルスベリのこと。もっともこのミソハギ科はフトモモ目に属する(Wiki)。サルスベリは別にとり上げる予定。
sptt








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