Tuesday, January 7, 2020

モチノキ


モチノキ(黐の木)のラテン語学名はIlex integra。モチノキ科 Aquifoliaceaeモチノキ属 Ilex
モチノキでモチノキ科の木を代表する。科の上の目(モク)はニシキギ目 Celastrales でニシキギ、ニシキギ科は前回のポストで取り上げた。

モチノキの<もち>は<鳥(とり)もち>の<もち>。漢字の<黐>だけでは読める人も書けるひとも多くはないだろう。子供の頃の記憶では竹竿(たけざお)に<鳥もち>をつけてセミ(蝉)をとった記憶がある。成功率は高かったがセミは鳴くのに忙しく鳥ほど敏捷ではない。<鳥もち>で鳥をとるのはむずかしいだろう。<黐>は中国語では、北京語も広東語もchi(ち)と発音し、よく聞く。何かが何かに<引っ付いた>状態をいう。<もち>の語源はこの<黐、chi(ち)>と関連があるのか?多分ない。食べるモチと鳥モチのモチは関係があるだろう。

Wikiのコピーが長くなるのを承知でコピーすると


モチノキ科 (Aquifoliaceae) は被子植物で、2約600の木本からなり、世界各地に分散して分布する。日本にはモチノキ属のみがあり23種ほどある。


葉は互生。花は両性または単性で、放射相称、花弁がくは4-5枚。小形で目立たない花が集散花序をつくる。子房上位、果実は数個の核を含む核果で、赤いものが多いが、イヌツゲなどは黒く熟す。
樹皮は粘り気の強いゴム状の粘着質の物質を含んでおり、かつてはこれを精製することで天然の鳥黐の素材としていた。

(の2属だが Nemopanthus の方は)

  • Nemopanthus mucronatus ただ1種からなるが、モチノキ属に含める考えもある。
(なのでモチノキ科 Aquifoliaceae はほぼ モチノキ属(Ilex)とみなせる。Wiki のコピーが続くがモチノキ属 Ilex には)
日本の種
その他
"

がある。(  )内は sptt の追加。

モチノキ属(Ilex)はまぎらわしい。

1)モチノキとセイヨウヒイラギはともに学名は Ilex xxxx (すなわちモチノキ属)だが、まったく違う木のようだ。セイヨウヒイラギの学名は Ilex aquifolium でモチノキ科のラテン学名 Aquifoliaceae はこの木由来、つまりは西洋ではこれが Ilex(モチノキ属)を代表するのだ。調べて見たが Aquifoliaceae Aqui はacus (needle) の関連語で英語の acute はacus の語尾変化形由来だ。Aqua (水)とは関係ない。セイヨウヒイラギの特徴は葉のふちまわりがとことどころとがっているのと赤い実だ。Wikiの解説にあるように<日本のヒイラギモクセイ科)>で葉は似ているが<似て非なるもの>だ。

2)次にイヌツゲ(Ilex crenata)もまぎらわしい。ツゲ(Buxus microphylla var. japonica)はツゲ科(Buxusaceae))のツゲ属のツゲで、モチノキとは直接関係はない。イヌツゲとツゲは<似て非なるもの>だ。Ilex crenatacrenata は葉のふちの形状の特徴をあらわす。

Leaf morphology crenate.png

Crenate Crenata Wavy-toothed; dentate with rounded teeth
(Wiki)

イヌツゲの<イヌ>はいい意味ではない。イヌタデというのがある。

3)日本にはない<その他>でセイヨウヒイラギの次にヤバネヒイラギモチ Ilex cornuta というのがある。<ヒイラギ><モチ(ノキ)>ではますます混乱する。これは<中国のヒイラギ>ともいえ、中国版Wikiでは<中国冬青>となっている。これは Chinese Holly の訳で、本来中国語では、いくつか別名があるが、 Ilex cornuta は普通は<枸骨>という言うようだ。<枸骨>の字ずらからはセイヨウヒイラギ、日本のモクセイ科の<ひいらぎ>の<とげとげしい葉>が想像される。一方ラテン語学名の Ilex cornuta cornuta は英語の horn (角、つの)の関連語だ。

中国のモチノキ科-モチノキ属 -モチノキに相当するのはIlex cornuta = Chinese Holly ではない。

冬青科-冬青属-冬青

でWikiでは冬青:Ilex chinensis となっている。(ややこしいがこれは上の Ilex cornuta = Chinese Holly ではない。)

冬青の日本語名は<ナナミノキ(七実の木、学名: Ilex chinensis)。>これはトゲトゲの葉ではない。

中国版Wiki
    (前略)
  • Ilex aquifolium - 歐洲冬青(聖誕樹) (sptt注:モミの木ではない)
    (中略)
(中略)
(中略)
  • Ilex graciliflora 纤花冬青,細花冬青
  • (中略)
  • Ilex integra - 全緣冬青
  •  これが<モチノキ>。全緣は Entire の植物用語か?
  • (中略)
  • Ilex latifolia - 大葉冬青
  •  これが<タラヨウ>((sptt注:タラヨウはおもしろい話があるが省略)
(中略)

(後略)



略した部分が多いが名前は圧倒的に<xx冬青>だ。日本の<モチノキ>がそうであるように、中国でも<冬青>はもともとギザギザ葉とは結びついていない。大きなギザギザ葉の木は<枸骨>なのだ。

<冬青>は字面からは<冬でも青い(緑)>で説明がつくが直接すぎるような気がする。

ますます混乱するが、昨年(2020年)のクリスマス前の12月に香港公園で鐵冬青(クロガネモチというには今回調べるまで知らなかった)がたまたま赤い実をつけているのを見た。名札は:学名:Ilex rotunda (実が丸いというよりは葉が丸いという意味だろう)。中国語名:鐵冬青。英語名:Chinese Holly、となっていた。かなり高い木で実には手がとどかない。ギザギザの葉ではない。


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Ilex rotunda、鐵冬青 クロガネモチ


5)ヒイラギナンテン

ヒイラギナンテン(柊南天、学名: Berberis japonica)もややこしい。葉っぱはいわゆるヒイラギ葉だがメギ科メギ属なのだ。<柊>をヒイラギと読めるひとは多くないだろう。実は赤でではなく青、藍(あい)色でややこしい。<ナンテン>もメギ科メギ属でこちらは赤い実だ。メギ(目木)については少し前に書いてヒイラギナンテンを紹介している。


青い実がなるヒイラギナンテンは中国では

十大功劳Mahonia japonica



となる。これはメギのポストで紹介してある。いわゆるヒイラギ(状)の葉だ。


ところで<ヒイラギ>の語源はなにか?Wikiのヒイラギの解説の冒頭に語源の解説がある。


ヒイラギ(柊・疼木・柊木、学名: Osmanthus heterophyllus)は、モクセイ科モクセイ属分類される常緑小高木の1和名は、の縁のに触るとヒリヒリと痛むことから、「ヒリヒリと痛む」旨を表す日本語古語動詞働き言端)である「疼(ひひら)く・疼(ひいら)ぐ」の連用形・「疼(ひひら)き・疼(ひいら)ぎ」をもって名詞(なことば)としたことによる。



<疼、tong>は中国では<痛い>の意だ。「疼(ひひら)く・疼(ひいら)ぐ」の漢字は当て字に近い。
 語源はこれ(ひひらく、ひいらぐ)だろうが、少し疑問もある。


まだある。

6)黏木 (粘木)
Ixonanthes reticulata Jack
黏木科 (Ixonanthaceae)
英文名 (English name): Ixonanthes

https://www.herbarium.gov.hk/PublicationsPreface.aspx?BookNameId=1&ContentId=55&SectionId=3

に詳しい解説がある。粘(黏)は<粘(ねば)る>と読めるし書けるだろう。いくつか解説にあたって見たが<粘(ねば)りけ>についての話はない。日本にはないせいか日本語名はまだないようだ。科名はWikiにあり英語読みのイクソナンテス科となっている。


sptt

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